識者が選ぶ「もっとも満足度が高かった春ドラマ」は?(4)名優たちの演技合戦にうっとり…時代を超える名作は?
2025年春ドラマを振り返るドラマ座談会を開催。注目度の高い作品を中心に、3名のドラマライターが今期もっとも面白かったドラマを5本選出した。それぞれの魅力を深掘りし、共感ポイントや俳優、脚本の魅力に迫る。ドラマファン必見の座談会レポートをお届け。第4回。(文・編集部)
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小岡田惠和の書くセリフは「あたたかい」
『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)
ーーー放送前、期待値の高いドラマの一つだった『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)ですが、前評判通り、従来のファンが満足する仕上がりになっていたのではないでしょうか。
あまの「『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)は、正座待機してました。前作も観ていたし、それが11年後にキャストを1人も変えずにやってくれるなんて、こんなありがたいことないですよね。11年空いた意味が感じられるお話でしたし」
苫「小泉今日子さん演じる千明は60代で、今の私よりも大分年上なのに、自分の身に置き換えても共感できるのがすごいですよね。劇中で、飯島直子さん演じる典子や、森口博子さん演じる啓子が、周りに比べて自分には何もない、必要とされてないと悩んでいて、いくつになってもその悩みは尽きないだなって思いました。同世代だけにターゲットを絞ってなくて、どの年代にも共感できる作品だと思います」
あまの「セリフ1つ1つが響くんですよね…。例えば坂元裕二さんの脚本を“深い”とするなら、岡田惠和さんの書くセリフは“あったかい”んですよね。それがすごく心地よい」
苫「わかります。登場人物に良いことを言わせようという“狙った感”がなくて、自然と出てきた温度のあるセリフだなと思います」
あまの「たぶん、自分があの年代になった時にこの作品をもう一度見たいと改めて思うだろうし、きっとその時の自分は彼女たちと同じ悩みを持っていて、その時にこういう言葉があったら救われるんだろうなと思わせてくれる作品でした」
【出席者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
【出席者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
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