ドラマの「弟役」が最高だった俳優は? 記憶に残る名演(5)演技が心に残る…ナチュラルな演技で株を上げた俳優
民放ドラマで「弟役」として視聴者の心をつかみ、その後の俳優人生で大きく飛躍を遂げた5人の俳優をピックアップ。繊細な演技、疲れた心を癒やす存在感、唯一無二の輝き…。キャリアの原点とも言える“弟役”から始まった彼らの魅力を、作品と共に振り返る。第5回。(文・編集部)
——————————
木戸大聖『海のはじまり』(フジテレビ系、2024)
脚本:生方美久
出演:目黒蓮、有村架純、泉谷星奈、木戸大聖、古川琴音、池松壮亮、大竹しのぶ
【注目ポイント】
2024年夏のフジテレビ系月9ドラマ『海のはじまり』で、木戸大聖は主要キャストの弟役として一躍脚光を浴びた。彼が演じたのは、目黒蓮演じる主人公・月岡夏の弟、大和だ。異母兄弟という複雑な関係性のなかで、純粋で素直な性格を持ち、葛藤に揺れる家族を柔らかく繋ぐ存在だった。
『海のはじまり』は、元恋人との間に生まれていた子どもと再会することで、夏の人生が大きく変化していくというストーリー。感情を抑えきれず言葉が先に出てしまう大和は、観る者の心に残るリアルな人物として描かれ、木戸のナチュラルで誠実な演技が高く評価された。
特筆すべきは、ドラマ本編に加えて配信されたスピンオフ作品『兄とのはじまり』である。大和の視点で語られる同作は、兄への複雑な思いと彼の成長を描き出し、木戸大聖という俳優の表現力を堪能する上で格好の作品となっている。
『海のはじまり』を機に、弟キャラとしてブレイクした木戸は、その後も演技の幅を広げていく。NHKドラマ『バニラな毎日』(2025、NHK)では金髪のミュージシャンという一見チャラいが芯のある青年を演じ、映画『ゆきてかへらぬ』(2025)では詩人・中原中也という実在の人物に扮し、静謐な情感をたたえた演技で新境地を切り拓いた。
さらに、声優としてもアニメ映画『きみの色』(2024)に抜擢され、透明感ある声で新たな魅力を発揮した。2025年現在、ネクストブレイク俳優ランキングで堂々の1位に選ばれるなど、今まさにキャリアの大きな転換点を迎えている。
(文・編集部)
【関連記事】
・ドラマの「弟役」が最高だった俳優は? 記憶に残る名演(1)
・ドラマの「弟役」が最高だった俳優は? 記憶に残る名演(2)
・ドラマの「弟役」が最高だった俳優は? 記憶に残る名演(全紹介)
【了】