ラスト15分で全てがひっくり返る日本映画は? 衝撃の結末(4)伏線回収が見事…終盤でわかる衝撃の事実とは?
text by ニャンコ
映画の醍醐味は、予想外の展開が訪れるその瞬間にある。中でもラスト数分で物語が一変する作品は、観る者の思考を一気に逆回転させ、最初から再視聴したくなるような中毒性を持つ。今回は、ラスト15分で全てがひっくり返る日本映画を5本セレクト。予想外の結末に、感情が揺さぶられる極上の作品を紹介する。※映画のクライマックスについて言及があります。未見の方はご留意ください。第4回。(文・ニャンコ)
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『HELLO WORLD』(2019)
監督:伊藤智彦
キャスト:北村匠海、松坂桃李、浜辺美波
【注目ポイント】
本作は、2027年の京都を舞台に、内気な高校生・直実(声:北村匠海)の前に「10年後の自分」ナオミ(声:松坂桃李)が現れることで物語が始まる。
ナオミは、事故で亡くなるクラスメイト・一行瑠璃(声:浜辺美波)を救うため、直実と共に奔走するが、現在の世界が過去の記録を再現した仮想空間“アルタラ”内であるという衝撃の事実が判明する。
さらに直実が見ていた世界もナオミによって再構成された「仮想の中の仮想」にすぎず、物語は一層深いメタ構造へと突入。ナオミは現実世界から来た“10年後の直実”ではなく、すでに死んだ直実の記憶をもとに作られた“仮想存在”であることが判明するのだ。
脚本は野﨑まど、監督は伊藤智彦。映像演出、伏線の緻密さが際立ち、終盤のメッセージ性と感情の爆発が強烈な印象を残す名作である。
特に恋愛とSFが交錯する構造は、“運命を変えたい”という普遍的欲求と、個の存在価値を問いかける哲学的テーマにまで踏み込んでおり、近年のアニメ映画でも際立つ完成度を誇っている。
(文・ニャンコ)
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【了】