めっちゃ似てる…漫画実写化、最も再現度が高かった女優は?(5)忠実すぎる再現…ぶっ飛んだストーカーキャラ

text by 阿部早苗

漫画の実写化では、キャラの再現度が成功の鍵を握る。外見だけでなく、声・仕草・空気感までをどう体現できるかが重要になる。今回は、原作ファンをうならせた「再現度の高い」5人の女性キャラを厳選。実写化が批判されがちな中で、二次元のキャラクターを見事に体現してみせた女優をピックアップした。第5回。(文・阿部早苗)

——————————

夏菜(猿飛あやめ)『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018)

夏菜
夏菜【Getty Images】

監督:福田雄一
キャスト:小栗旬、菅田将暉。橋本環奈、柳楽優弥、夏菜

【注目ポイント】

 漫画の実写化は常に原作再現度が話題になる。特に、強烈なキャラクター性を持つ登場人物であればあるほど、ビジュアルや演技のハードルは一層高まる。そんな中で、2018年公開の映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』に登場した夏菜演じる猿飛あやめは、その期待を軽々と飛び越える完成度であった。

 原作『銀魂』は、空知英秋による人気漫画。中でも猿飛あやめは、元幕府お抱えのエリート忍者でありながら、銀時に対して異常なまでの愛情を注ぐドMストーカーキャラとして知られ、濃すぎる個性ゆえに実写化が難しいとされてきた。

 そんなキャラクターに挑んだのが、女優・夏菜だ。発表当初は意外な配役との声もあったが、蓋を開けてみれば再現度の高さに「原作そのまま」といった驚きの声があふれた。

 ビジュアル面では、紫色のロングヘアに眼鏡、忍び装束という外見を忠実に再現。だがそれ以上に観客の心を掴んだのは、夏菜自身の体当たりの演技だった。顔芸に加え、銀時への暴走する愛情表現など、振り切った芝居の数々からは、まさに女優魂がにじみ出ていた。

 夏菜自身も「出来る限り、原作に忠実に演じようと思って努力しました。動きや仕草、そういうのを沢山研究して演じました」と語っており、その言葉通り、表情や台詞のトーンに至るまで緻密に作り込まれていたことが、ファンからの高評価に繋がったといえる。

 漫画実写化における成功例として、夏菜が演じた猿飛あやめは確実にその名を刻んでいる。原作の再現にとどまらず、新たな魅力をも引き出したその演技は、実写版における理想的なアプローチの一つであると言えるだろう。

【関連記事】
めっちゃ似てる…漫画実写化、最も再現度が高かった女優は?(1)
めっちゃ似てる…漫画実写化、最も再現度が高かった女優は?(2)
めっちゃ似てる…漫画実写化、最も再現度が高かった女優は?(全紹介)
【了】

error: Content is protected !!