史上最も衝撃的な最期を遂げた女優は? 早世した天才女優(5)活動期間はたったの10年…人気絶頂で悲劇の死

text by 阿部早苗

若くして世を去った女優たちは、短い命の中で忘れがたい輝きを放った。今回は、時代の寵児として注目を集めながらも、痛ましい事件や不慮の事故でこの世を去った5 人の女性に焦点を当て、彼女たちが遺した演技と影響力に迫る。第5回。(文・阿部早苗)

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世界が愛したセックスシンボルの孤独な最期

マリリン・モンロー(1926~1962)

トム・イーウェルとマリリン・モンロー
トム・イーウェルとマリリン・モンロー(映画『7年目の浮気』より)【Getty Images】

代表作:『七年目の浮気』(1955)『お熱いのがお好き』(1959)

【注目ポイント】

 マリリン・モンローは1926年6月1日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれる。本名はノーマ・ジーン・モーテンソン。1950年代のハリウッドを象徴する女優で、抜群の美貌と独特の魅力で世間を魅了した。

 代表作は『紳士は金髪がお好き』(1953)、『七年目の浮気』(1955)、『バス停留所』(1956)などがある。特に『七年目の浮気』の白いドレスが風に舞うシーンは映画史に残る名場面として知られている。活動期間は1962年に不慮の死を遂げるまでの約10年にすぎなかったが、彼女が出演した映画の総興行収入は2億ドルに達し、当時の映画界に多大な影響を与えた。

 彼女の魅力は美しさに加え、無邪気さと色気が同居する独特の雰囲気にあった。また、華やかな表舞台とは対照的に、複雑な家庭環境で育った過去や精神的な不安定さを抱えていたことも知られており、それが人々の心に深い印象を残した。

 1962年8月5日、36歳の若さでロサンゼルスの自宅にて急死。死因は睡眠薬の過剰摂取による薬物中毒とされるが、自殺説や他殺説など複数の説があり、真相はいまだ明らかになっていない。

 1999年にはアメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)が選ぶ「アメリカ映画100年 映画スターベスト100」で女優部門第6位に選出され、その影響力の大きさを示した。数々の名作を遺し、今なお愛され続けるマリリン・モンロー。若くして世を去った天才女優として、その人生と輝きは今も色褪せない。

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【了】

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