最も「ギャル役が上手かった」日本人女優は? 衝撃の名演(5)作業服がハマりすぎ…ヤンキー役で開花したのは?

text by shuya

清楚で可憐なイメージをまとい、透明感あふれる存在感で活躍する女優たち。だが、その固定観念を裏切るようにギャルという真逆のキャラクターを演じたとき、彼女たちはまた違った輝きを放つ。今回は、ギャル役で鮮烈な印象を残した5人の女優をセレクト。その演技の魅力を掘り下げていく。第5回。(文・shuya)

——————————

恒松祐里『Gメン』(2023)

恒松祐里【公式Instagram】
恒松祐里【公式Instagram】

 大河ドラマ『真田丸』(2016)や朝の連続テレビ小説『まれ』(2017)など、数多くの映画やドラマで強い印象を残してきた実力派女優・恒松祐里。そんな彼女もまた、ギャル役を見事に演じきった俳優の一人である。

 恒松がギャル役を務めたのは、2023年に公開された映画『Gメン』である。本作において彼女が演じたのは、全身からギャル魂を放つキャラクター・レイナであった。清楚な役柄を演じることの多かった恒松にとって、これは新たな挑戦であり、彼女のキャリアにおいてもひときわ強烈な一撃となった。

 レイナは、いわゆる一般的なギャルというよりも、むしろ“女ヤクザ”に近いキャラクターである。真っピンクのニッカポッカを着こなし、ヤクザさながらの口調とハイテンションな言動を武器に、観客の視線を釘付けにする。しかし、恒松の演技はそれを単なる戯画的な表現にとどめることなく、台詞のテンポ良い応酬や、怒りや哀しみといった複雑な感情の起伏を、あくまで“ギャルヤクザ”という視点に根ざしたまま繊細に表現している。

 さらに注目すべきは、突っ張った外見から垣間見える“可愛らしさ”というギャップである。それは、恒松祐里の演技力の高さを物語る最大の魅力であり、観る者に「ギャルやヤクザといった記号的存在が、こんなにも感情豊かで愛すべき存在だったのか」と気づかせる説得力を持っている。

 このレイナ役を通じて、恒松祐里はそれまでの「真面目な女優」という既成イメージを見事に打ち破った。今後、より幅広い役柄に果敢に挑んでいくであろう彼女のさらなる飛躍に、大きな期待が寄せられている。

【関連記事】
最も「ギャル役が上手かった」日本人女優は? 衝撃の名演(1)
最も「ギャル役が上手かった」日本人女優は? 衝撃の名演(2)
最も「ギャル役が上手かった」日本人女優は? 衝撃の名演(全紹介)
【了】

error: Content is protected !!