2025年の夏ドラマも盛り上がっている。今回は、現在放送中のドラマに出演する女優をピックアップ。キャリア十分の実力派や新境地を開拓した若手の中から、今季、最も役者として株を上げた注目の俳優5人を選出し、作品の内容と共に、演技の魅力を解説する。第2回。（文・まっつ）

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大御所にも引けを取らない存在感

板垣李光人『しあわせな結婚』（テレビ朝日系）

　近年、映画では『ブルーピリオド』や『はたらく細胞』、ドラマでは『silent』や『どうする家康』など話題作への出演を続けている板垣李光人。夏クール最注目ドラマのひとつである『しあわせな結婚』では、松たか子演じる鈴木ネルラの弟である鈴木レオ役を演じている。

　レオは大学生でありながら、デザイナー兼スタイリストを手掛けるカリスマ。若くして才能がある人間としての雰囲気を板垣はありありと醸し出しており、彼でなきゃこうは行か　ないだろうと思わされる。

　また、出演シーンのほとんどは阿部サダヲ、もしくは松たか子と同じだが、いるだけで存在感を出す大御所の2人にも負けることなく、レオという独特のキャラクターを立たせることに成功している。経験豊富な俳優陣に囲まれながらも、板垣李光人ならではの色を加えているようだ。

　家族でのシーンは特に注目で、セリフがない場面でも表情でレオの感情を的確に表現。突飛なネルラの発言にドギマギするのは視聴者同様で、彼の顔を見れば私たちも食卓を囲んでいるような追体験が得られるよう。事件の真相はまだまだ見えてこないが、「リヒト様」の演技からも目が離せない。

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