役作りでプロレベルに…!? 意外な特技で役を極めた俳優(4)演技じゃなくて本気で苦しんでいる…海を愛した男
映画やドラマで圧倒的な存在感を放つ俳優たちの中には、実は意外な資格を持ち、その特技を芝居に活かしている人が少なくない。今回は、そんな知られざる資格を持つ俳優5人を紹介し、それぞれの特技がどのように役作りや表現に活かされているのかを徹底解説する。第4回。(文・野原まりこ)
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ダイブマスター資格が光る『海猿』
伊藤英明
【注目ポイント】
野性味あふれるワイルドさで唯一無二の存在感を放つ伊藤英明も、稀少な資格を持つ俳優のひとりだ。彼が手にしているのは、スキューバダイビングの上級資格であるダイブマスター。趣味として長年ダイビングに親しみ、青い海を舞台に数多くの経験を重ねてきた。まさに“海を愛し、海に愛された男”であり、その生き様がスクリーン上の力強さと説得力に直結している。
そんな彼の海への愛が、役との親和性を高めたのが伊藤英明の代表作とも言える『海猿』シリーズだ。海上保安庁の潜水士である仙崎大輔を主人公とする、海難救助隊の活躍を描くヒューマンドラマであり、映画シリーズ4作品全てが大ヒットを飛ばした日本映画史に残る名作である。伊藤英明が演じた仙崎も、海を愛する男であり、ダイブマスターの資格を持っているという設定だ。
また、こんな裏話がある。伊藤英明率いるキャスト陣は、撮影に入る前に海上保安官が実際に行なっている訓練を2ヶ月間行ったという。カメラに収められている画は、演技というよりも本気で苦しんでいる姿が収めらており、役者の“生”のエネルギーがほとばしるような内容になっている。
本作の成功は、こうした役者たちのたゆまぬ努力、そして何より伊藤英明自身が心から海を愛しているという事実に支えられている。海上保安官・仙崎を自然体で体現できたのは、海への深い親和性を持つ伊藤だからこそだ。
(文・野原まりこ)
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