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「完全に狂っている…」吐き気がするほどリアルな戦争映画(4)。緊張感がやばい! 爆弾処理の悲惨を描く傑作

text by 編集部

ロシアがウクライナに侵攻して1年が経った。ほとんどの人が、戦争は二度としてはいけないことだと考えているだろう。しかし我々の世代は自ら経験したわけでもなく、どこか自分には関係ないことだと思っているはずだ。だが、知らないからこそ学ばなくてはいけない。今回は見るのも辛いが、多くの人に知ってほしいリアルな戦争映画を紹介する。

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戦時下の爆弾処理班の活躍を緊迫感たっぷりに描いた傑作

『ハートロッカー』(2008)


出典:Amazon

原題:The Hurt Locker
製作国:アメリカ
監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
キャスト:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ

【作品内容】

イラク戦争下のバグダッド郊外。アメリカ軍爆弾処理班「ブラボー中隊」のもとに、殉職した隊員に代わり、ウィリアム・ジェームズ軍曹が送り込まれてきた。これまでに870以上の爆発物を解体処理しているエキスパートだが、安全対策を行わない命知らずなジェームズに、サンボーン軍曹とエルドリッジ技術兵は不安を募らせる。そんな中、彼らの不安をよそに、地獄の炎天下で処理班と爆弾魔との壮絶な闘いが続く。

【注目ポイント】

キャスリンビグロー監督Getty Images

本作は、戦時下で活躍する爆弾処理班の活躍を描いた意欲作。監督は『ハートブルー』(1991年)『K-19』(2002年)のキャスリン・ビグローで、主演のウィリアム・ジェームズ二等軍曹をジェレミー・レナーが演じる。なお、本作は第82回アカデミー賞では作品賞以下6部門を受賞。女性では史上初となる監督賞受賞者となった。

タイトルの「ハート・ロッカー」は、アメリカ軍のスラングで「棺桶」を意味し、常に死と隣り合わせの爆弾処理班を指す言葉(決して音楽用語ではない)。本作では、自由に身動きがとれず、一瞬の判断ミスが命取りとなる彼らの日常が、手持ちカメラの緊迫感あふれる映像で描かれる。

とはいえ、命知らずの爆弾処理班を英雄視するアメリカの文化は、日本人には受け入れがたいものかもしれない。本作のドキュメンタリーさながらの描写からは、ただただ悲惨さだけが伝わってくる。

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