「SFの金字塔が産んだ! 」莫大な金に化けた映画の小道具(1)。伝説の一台…世界一有名なタイムマシン
誰もが知っている映画の有名シーンで使われた小道具は、オークションにかけると凄まじい金額になるようだ。アメリカのブロンド美女を象徴する有名女優が着用したドレスや、大ヒットSF映画に登場したタイムマシンなど、有名作品や俳優に関連したアイテムが勢ぞろい。今回は驚きの高価格で落札された映画の小道具を5つご紹介する。
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科学者ドクが開発した車型タイムマシン
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン
落札価格:3万5200ユーロ(約422万円)
製作年:1985
上映時間:116分
原題:Back to the Future
製作国:アメリカ
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ボブ・ゲイル、ロバート・ゼメキス
キャスト:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、トーマス・F・ウィルソン、リー・トンプソン、クリスピン・グローバー
【作品紹介】
高校生のマーティ・マクフライ(キャスト:マイケル・J・フォックス)は、近所に住むエメット・ブラウン博士(ドク)が開発したタイムマシンにより、1985年から1955年へとタイムスリップしてしまう。帰る手段を失ったマーティは、若き日のドクを探し出し、未来へと戻してもらうべく助けを求める。しかしその過程で、マーティの両親の出会いを妨害してしまい…。
製作総指揮スティーブン・スピルバーグ、監督ロバート・ゼメキスによる映画史に残るSFアドベンチャーの最高傑作。1989年、1990年には続編も公開された。
【注目ポイント】
多感で小心者の高校生マーティを演じるマイケル・J・フォックスと、タイムマシンを完成させたとうそぶく老科学者ドクを演じるクリストファー・ロイドとの、世代を超えた友情物語も見どころの一つだが、何といってもこの映画を名作足らしめているものは、ドクの愛車DMC-12を改造して作り上げたタイムマシン「デロリアン」の存在だろう。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』三部作を通して、合計7台のDMC-12が使われている。DMC-12は、1975年当時、ゼネラルモーターズの副社長だったジョン・デロリアン氏が、理想の車を作る目的で設立したDMC社の市販第1号として、1981年に販売開始されたもの。
発売当時、センセーショナルな話題を巻き起こしたDMC-12だが、翌年には販売台数が急減し、結局DMC社は倒産。DMC-12は、8583台で生産を終了した。2005年3月、デロリアン氏は心臓発作により、80歳で死去。同作に登場するタイムマシンに「デロリアン」という名が付けられたのは、彼への目配せに他ならない。
DMC-12が改めて注目を浴びるきっかけが、同作だったことは言うまでもないが、現存する3台のうちの1台が米国でオークションに出品された。もちろん、タイムマシンの装備もそのままだ。
出品されたのは、2020年にオンラインで開催された、RMサザビーズの「ザ・ヨーロピアン・セール・フューチャリング・ザ・マーセル・プティジャン」オークションだ。このオークションは本来、2020年3月にドイツのエッセンで行われるクラシックカーショー「アウト・メカニカ・エッセン」に併せて開催される予定だったが、新型コロナの影響によって日程を改め、オンライン開催に変更された。
近年では、多くのオークション会社が採用するオンライン方式のオークションだが、時間をかけて落札価格を考えられるという点では効果的で、このオークションも、入札者は48か国から1000人を超え、トータルで1924万6540ユーロ(約23億958万円)という、オンラインによる過去最高の売上を達成した。
そして、出品された「デロリアン」のDMC-12は、3万5200ユーロ(約422万円)で落札された。安いと思われた方も多いのではないだろうか。移動手段としての機能は望めないにしても、ちょっと豪華な美術品として庭やガレージに置いておくだけで、優雅な気分に浸れること請け合い。次の機会に狙ってみてはいかがだろうか。
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