「ドレス1着に6億円!?」莫大な金に化けた映画の小道具(5)。伝説のセクシー女優…世界で最も有名な衣装
誰もが知っている映画の有名シーンで使われた小道具は、オークションにかけると凄まじい金額になるようだ。アメリカのブロンド美女を象徴する有名女優が着用したドレスや、大ヒットSF映画に登場したタイムマシンなど、有名作品や俳優に関連したアイテムが勢ぞろい。今回は驚きの高価格で落札された映画の小道具を5つご紹介する。
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スカートが風でめくれる有名シーンで使用
若くして亡くなった伝説の女優の貴重な衣装
『七年目の浮気』のマリリン・モンローのドレス
落札価格:460万ドル(約6億1000万円)
製作年:1955
上映時間:104分
原題:The Seven Year Itch
製作国:アメリカ
監督:ビリー・ワイルダー
脚本:ジョージ・アクセルロッド
キャスト:マリリン・モンロー、トム・イーウェル、イブリン・キース、ツソニー・タフツ
【作品紹介】
妻と息子が避暑地へ出かけ、アパートに一人残った編集者のリチャード(トム・イーウェル)は、上の階に間借りしているブロンド美女(マリリン・モンロー)に魅了されていく。女性との妄想で頭がいっぱいになったリチャードは、上の階のブロンド美女と接触する機会を得るが…。
【注目ポイント】
『七年目の浮気』は、ブロードウェイの舞台劇をアクセルロッド自らの脚色(ビリー・ワイルダーとの共同脚本)で映画化したセクシーコメディー作品だ。
蒸し暑いニューヨークのアパートで、妻子がバカンスに出かけたため、一時の独身気分を満喫しているリチャード(トム・イーウェル)のもとに、上の階に住むブロンド美女(マリリン・モンロー)が涼を求めてやってくる。
親しくなった2人が一緒に映画を見に行く途中、ブロンド美女の白いスカートが地下鉄の通気口からの風でめくれ、「デリシャス!」と叫びながら涼しさを楽しむシーンはあまりに有名だ。
当時、モンローは、ヤンキースのスーパースター、ジョー・ディマジオと結婚したばかりで、その撮影にも居合わせたジョーが、太ももと下着が露わになるモンローを見て激怒。大喧嘩に発展し、モンローが「心理的虐待」を受けたとして離婚訴訟を起こし、わずか9か月で離婚に至ったというエピソードはつとに有名だ。
20世紀を代表するセックスシンボルといわれるモンローの白いドレスは、『雨に唄えば』の女優デビー・レイノルズが所有し、テネシー州のハリウッド・モーション・ピクチャーズ博物館の目玉となっていた。彼女が50年近くかけて収集してきたハリウッドコレクションは衣装3500点、写真2万枚、小道具数百点にも上っていたという。
ちなみに、デビーのコレクションには、『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランドが着たブルーの衣裳、『マイフェア・レディ』のオードリー・ヘプバーンのアスコットドレス、『ハロー・ドーリー! 』のバーブラ・ストライサンドのゴールドのドレスなどもある。
しかしながら、高齢となったデビーは経済的な理由から手放すことを決め、オークション主催会社プロファイルズ・イン・ヒストリーへマリリン・モンローのドレスを出品した。
年月を経たことで、白いドレスがくすんだクリーム色になっていたが、落札価格は当初予想の100万~200万ドル(約8000万~1億6000万円)を大きく上回り、460万ドル(約6億1000万円)で落札された。
また、この日は他にも約700点のコレクションが出品され、総落札額は2280万ドル(約18億3000万円)に上ったが、最高価格がついたのは、モンローのこの白いドレスだった。
(文・寺島武志)
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