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日本映画史上最高! 海外リメイク不可能なタイムスリップ映画(4)。世界絶賛! 歴史SFアクションの金字塔

text by 寺島武志

「タイムスリップ」を題材にした邦画の傾向は幅広く、コメディ作品や青春もの、歴史ものなど多岐に渡る。あの有名なタイムリープアニメも、80年代にはすでに実写映画化されていたのをご存じだろうか。今回は、江戸時代や戦国時代、バブル期など様々な時代を舞台にした、タイムスリップがテーマの日本映画を5本セレクトした。(文・寺島武志)

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自衛隊VS戦国武将のドリームマッチ…。
奇想天外な歴史SF映画の怪作

『戦国自衛隊』(1979)


出典:Amazon

上映時間:138分
製作国:日本
監督:斎藤光正
原作:半村良
脚本:鎌田敏夫
キャスト:千葉真一、夏八木勲、渡瀬恒彦、岡田奈々、渡瀬恒彦、竜雷太、薬師丸ひろ子、草刈正雄、宇崎竜童、真田広之

【作品内容】

伊庭義明三等陸尉(千葉真一)率いる21名の自衛隊の小隊が、演習に参加するための移動中、時空連続体の歪みによって、戦車やヘリコプター、装甲車、ジープ、武器弾薬、食料などとともに、400年前の戦国時代へとタイムスリップしてしまう。

近代兵器を用いて戦国武将と凄惨な抗争を繰り広げるという奇想天外なストーリー。SF小説の大家・半村良が1971年に発表した代表作を、角川春樹の秘蔵子として知られる斎藤光正のメガホンで映画化した。

【注目ポイント】

千葉真一2003年のキルビルロサンゼルスプレミアにてGetty Images

本作は、千葉真一のデビュー20周年とジャパンアクションクラブ (現・ジャパンアクションエンタープライズ) 発足10周年を記念して、角川春樹のプロデュースで制作された歴史SF作品だ。

タイムスリップ映画の中では珍しく、スリップした先で、仲間とともに殺されてしまうという悲惨なラストを迎える。しかしながら、時代劇要素に戦争映画のエッセンスを加え、アクションシーンもふんだんに盛り込まれており、千葉真一率いるJAC(ジャパンアクションクラブ)の見せ場も多く、アクション大作として傑出した完成度を誇っている。

戦国時代にタイムスリップした主人公たちと最初にコンタクトをとるのは、越後の龍こと上杉謙信率いる軍隊だ。その後、主人公は上杉とタッグを組み、天下統一を果たすことで歴史を変えて現代に戻ろうと思い立ち、ヘリコプターと戦車を駆使して川中島で武田信玄と激闘を繰り広げる。

実在する戦国武将が登場し、SF的な想像力をフル回転させて、自衛隊と武士たちとの戦いが活き活きと描かれている。SF好きはもちろん、歴史好きもハマること請け合いだ。

終盤には、主人公・伊庭三等陸尉が武田信玄を射殺。史実を大胆に改ざんしているが、ヒトラー暗殺を成功させる『イングロリアス・バスターズ』と同じ、何でもありの偽史ものとして観れば十分に楽しめる。

なお、本作のタイムスリップの原因である“時空連続体の歪み”については、現象として存在していることは分かっているものの、詳細については現在も解明されていない部分が多い。

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