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「最悪のジャンプ漫画実写化は…?」大失敗の実写映画(1)原作ナメすぎ? 読んでもいない? 最低の1本は…

text by ZAKKY

人気漫画を原作とする実写映画は数多いが、中には原作ファンから不評を買った、残念な作品も少なくない。もちろん、原作ファンを唸らせる作品を制作するのは簡単なことではない。そのハードルは高く困難である。しかし、そんな苦難を乗り切れなかった…いや!そもそも乗り越える気すらないのでは?と疑いをかけたくなる作品が多いのも、また事実。今回は『週刊少年ジャンプ』掲載作品に絞り、残念な実写化作品を5本紹介する。

(文・ZAKKY)

三池崇史監督がやらかした!?
不朽の名作『ジョジョ』の黒歴史

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017)


出典:Amazon

監督:三池崇史
原作:荒木飛呂彦
キャスト
東方仗助:山崎賢人
広瀬康一:神木隆之介
山岸由花子:小松菜奈
虹村形兆:岡田将生
虹村億泰:新田真剣佑

【作品内容】

1986年から連載され、今や全世界的な人気を誇り、2012年からスタートしたアニメ版も好評を博している、国民的大河漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。その偉大なる“生きるレジェンド”の派生作品において、多くのファンから厳しい評価を受けているのが、今作である。

三池崇史監督
監督を務めた三池崇史Getty Images

今作は、原作漫画の第4部である『ダイヤモンドは砕けない』の、いくつかのパートを実写化している。封切当時、世界中の“ジョジョラー”(ジョジョのファン)たちは、不安と期待が入り混じる中、今作の観賞に挑んだ。しかし、残念なことに違和感をおぼえるポイントが多く、原作ファンは肩を落とし、劇場を後にした。

【注目ポイント】

筆者の印象では、俳優陣はとてもいい演技をしていたように思える。特に、高いIQを誇る凶悪犯罪者・アンジェロ役の山田孝之は、貫禄のある悪役ぶりをみせ、原作屈指の狂ったヴィランを説得力豊かに演じている。(メインキャラクターの1人、空条承太郎に扮した伊勢谷友介は、ビジュアルがイマイチハマっていなかったが…)。

また、主人公・東方仗助(山崎賢人)たちが発動する、精神エネルギーを具現化した超能力“スタンド”のCGによる表現も、見事であった。

しかし致命的なことに、肝心の“スタンド”能力に関する説明のパートがない。原作通り、空条承太郎のセリフによってチラッと説明されてはいるが、それだけでは、原作未読の人にはチンプンカンプンだろう。今作では観客を置き去りにしたまま、スタンドバトルが始まるのだ。

そもそも、原作における「第4部」のすべてが実写化されているわけではなく、いくつかのパートを抜き取って一本の映画に構成している。その点も、今作の混沌とした印象を形作っている要因の一つだろう。

また、主人公・仗助は基本温和な性格ではあるが、髪形をけなされたり、大切な人が傷つけられたりすると、突然ブチ切れる。その辺りの描写は原作の見どころの一つだが、実写版では仗助の感情描写が見るからに雑である。

原作ファンからみて「キャラクターの魅力が表現されていない」と感じるシーンは他にもある。その顕著な例は、ラスボスである吉良吉影が、重要な場面でスタンド“シアーハートアタック”を発動しない、といった点に見られるだろう。

総じて言うと、制作陣が「原作の表面的な部分しか読んでいないのでは?」としか思えない映画なのである。『第一章』と銘打ち、続編が未だに作られていないのも、当然の顛末か…。

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