世界絶賛の超傑作!最高に面白い北野武監督映画(1)伝説の始まり…強烈なバイオレンス描写が光る邦画の金字塔
text by 編集部
2023年3月15日、6年ぶりとなる最新作『首』の記者会見を行った北野武。配給元とのゴタゴタもあり、当初はお蔵入りもささやかれた同作だが、とりあえずは一安心といったところだろう。本記事では、今秋の上映に先立ち、北野武作品の魅力を存分に紹介する。
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伝説はここから始まった!
徹底したバイオレンス描写が魅力の初監督作品
『その男、凶暴につき』(1989)
【作品内容】
捜査のためには暴力をいとわない刑事・我妻は、その粗暴な性格から警察署内でも除け者扱いされていた。ある日、港で麻薬売人の他殺体が発見され、我妻は新人の菊池を引き連れ事件の捜査を開始する。事件を追ううちに、青年実業家の仁藤と殺し屋の清弘の存在にたどり着く我妻だったが、彼らに麻薬を横流ししていたのは気のおけない友人で同僚の岩城だった。
【注目ポイント】
北野武の第一回監督作品。我妻役のビートたけしのほか、白竜、芦川誠、川上麻衣子、平泉成らが出演している。
見どころは、なんといっても鮮烈なバイオレンス描写だろう。麻薬の売人を何度も殴りながら尋問をする、敵に撃った流れ弾が見物人の少女に当たるなど、従来の映画には見られない痛々しい描写が散りばめられている。また、ラストの白竜演じる清弘との真正面からのの銃撃戦も見事で、初監督作品とは思えない仕上がりになっている。
なお、本作の監督は、当初『仁義なき戦い』シリーズの深作欣二監督を予定していたが、スケジュールの都合から深作の予定が合わなくなり、制作側が北野に監督を打診。北野は、自身の映画化にあたり、野沢尚が書いた脚本を90%改稿したという。ちなみに野沢は、北野のアイデア力を高く評価しつつも大激怒。元の脚本をもとに小説『烈火の月』(2004年)を執筆している。
ちなみに、本作のキャッチコピーは、「コドモには見せるな!」で、本編最初のカットは、なんとにんまり笑うホームレスのアップ。このあたりの細かい演出にも北野の才気が感じられる。
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