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史上最低のTVドラマ劇場版は? 評価最悪…大失敗の日本映画(5)。散々な酷評…”引き伸ばし”で不満続出

text by 編集部

今まで、数えきれないほどのテレビドラマの劇場版が制作されてきた。ドラマ版が面白かったからといって、劇場版も面白いとはかぎらない。今回は、漫画が原作の学園サスペンスや、有名子役の出世作、琉球王朝が舞台の壮大な時代劇など、テレビドラマの劇場版作品の中でも、ファンの期待に応えられなかった作品を5本ピックアップした。

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映画にしては物足りない…。
リメイクドラマも散々な結果に

『映画 クロサギ』(2008)


出典:Amazon

上映時間:120分
監督:石井康晴
原作:黒丸、夏原武
脚本:篠崎絵里子
キャスト:山下智久、堀北真希、加藤浩次、市川由衣、竹中直人、岸部シロー、山﨑努
テレビドラマ版:『クロサギ』2006/4月~6月(金曜22:00~)
製作局:TBS

【あらすじ】

詐欺師に騙されたことが原因で一家心中した一家の生き残りで、詐欺師をターゲットにするプロの詐欺師「クロサギ」である黒崎(山下智久)は、アパートの経営をしながら新たなターゲットの情報を集めていた。アパートの住人で法学部の吉川氷柱(堀北真希)に心配されつつ、黒崎は、新たなターゲット・石垣(竹中直人)を追う。中で日本経済を揺るがす巨大詐欺の計画を突き止めるが、背後には陰謀が蠢いており…。

【注目ポイント】

山下智久(2019年フランスにて)
山下智久2019年フランスにてGetty Images

本作は、黒丸と夏原武によるマンガを原作としたテレビドラマで、父親が詐欺に遭った末に一家心中し、ただ独り生き残った「黒崎」が、詐欺師をターゲットに詐欺を仕掛ける“クロサギ”となるサスペンス作品。山下智久の初単独主演作でもあった。

原作マンガは2003年から2013年まで、「週刊ヤングサンデー」「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載され、単行本も、累計発行部数850万部を超える人気作だ。

物語冒頭で、「詐欺師には、人を騙して金銭を巻き上げるシロサギ、色仕掛けで異性から金銭を騙し取るアカサギ、そしてシロサギやアカサギをターゲットに詐欺をはたらくクロサギがいる」という説明があり、犯罪行為でありながら、勧善懲悪のエッセンスも色濃く、平均視聴率15.7%、最高視聴率18.8%と高視聴率を記録した。

しかしながら、最終回の中途半端な終わり方から、最初から映画化を見越して製作されていたとの声も少なくなかった。事実、映画化前提でテレビドラマ化される作品は少なくない。マンガ作品ではこうした傾向が顕著で、ある程度の興行収入が得られることから、パッケージすることで、マンガ原作者・テレビ局・映画配給会社が“ウィンウィン”となるからである。

本作も、興行収入17億円と、数字上では一応の成功を収めたようにも思えるが、その内容については鑑賞者から不満の声が上がった。不満の声に耳を傾けてみると、ドラマ版の最終回を引き延ばしたようなストーリーに”食い足りない”思いをしたファンが多かったようだ。

そして、劇場版公開から14年後の2022年、King&Princeの平野紫耀を主役に据え、リメイクドラマが放送された。その意図として、詐欺が社会問題となっている現状や、ネットやスマホを使用した詐欺行為の多様化が挙げられるだろう。

しかし、リメイクドラマ版の平均視聴率は7.4%、最高視聴率は9.2%と、振るわない結果に終わった。キャストの人気を考えると、惨敗の原因は題材とストーリーに求められるだろう。

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