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「無理ゲー過ぎる…!」 トンデモ設定の恋愛日本映画(3)ラブドールが人間に…不気味で奇妙な是枝映画の傑作

text by 編集部

先生と生徒や不倫…。恋愛映画には様々な禁断の関係があり、我々の興味を引きつける。でも最近似たようなものばかりでつまらない…。予想できるような関係性に飽き飽きした方へ、そもそも設定から無理じゃない? と思わざるを得ない日本の恋愛映画をピックアップ。観れば恋愛の幅が広がること請け合いの5本をセレクトした。

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意思を持ったラブドールが人間に恋する
奇妙な世界観に引きこまれる

『空気人形』(2019)


出典:Amazon

上映時間:116分
製作国:日本
監督:是枝裕和
脚本:是枝裕和
キャスト:ペ・ドゥナ、井浦新(ARATA)、板尾創路、高橋昌也、余貴美子、岩松了、星野真里、丸山智己、奈良木未羽、柄本佑

【作品内容】

女性の“代用品”として作られた空気人形・のぞみ(ペ・ドゥナ)に、ある朝“心”が芽生え、持ち主が留守の間に街へ繰り出すように。

そんなある日、レンタルビデオ店で働く青年・純一(井浦新)に想いを寄せたのぞみは、その店でアルバイトすることに…。

『誰も知らない』『そして父になる』の是枝裕和監督が、業田良家の短編漫画『ゴーダ哲学堂 空気人形』を映画化。主演は『ベイビー・ブローカー』の韓国の人気女優ペ・ドゥナが務め、『ハナミズキ』の井浦新と共演した。

【注目ポイント】

女優のペ・ドゥナ
女優のペドゥナGetty Images

本作は、人形が人間に一目ぼれし、レンタルビデオ店で働き始めるというなんともシュールな展開を描いている。

昼は好きな人がいる店で働き、夜は持ち主にバレないよう人形のフリをする。正直無理があり、フィクションながら、「なんでバレないの」と疑問を抱きつつも、この奇妙な世界観にどんどん引き込まれていく。

人形が主役という設定は、一見感情移入が難しいように思える。また、所有しているラブドールが動き出したらいいなという願望は男性特有のものに思える。しかし本作には、素晴らしいことに、女性が共感できるシーンも用意されている。

特に「自分は性欲処理の道具なんだ」とのぞみが痛感するシーンは、女性の尊厳について考えさせられる場面であり、好きな人に愛されずに寂しい思いをしている女性の心に深く刺さるのではないのだろうか。

最後には、純一も自分と同じ人形だと思ったのぞみが、純一の腹に穴を空けて空気を入れようとし、無自覚で殺してしまう。

少し不気味さを兼ね備えた恋愛ストーリーであるが、幸せな結末ばかりに飽きてしまった人にはぜひ観て欲しい作品だ。

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