官能的すぎる…国民的女優の濡れ場が堪能できる日本映画(5)。神々しい裸体…快楽と喜びを表現する演技力に脱帽
映画の物語を進めていく上で、官能的なシーンはスパイスになる。女性の裸には人の目を引く力が宿っている。だが、エロスと共にその女優が自分の体を使って何を伝えようとしているのかを感じることで、観客は胸を打たれるのではないだろうか。今回は表現の境地に立ち、果敢に濡れ場に挑戦した女優をセレクトしてご紹介する。(文・市川ノン)
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真木よう子『べロニカは死ぬことにした』
原作:パウロ・コエーリョ
監督:堀江慶
脚本:筒井ともみ
出演:真木よう子、イ・ワン、市村正親
【作品内容】
退屈な人生に嫌気がさし、自殺を図ったトワ(真木よう子)。一命をとりとめ、目が覚めた彼女がいたのは、社会から隔離された風変わりなサナトリウム(長期的な療養を必要とする患者なのための療養所)だった。
自殺のダメージにより、余命10日と告げられたトワだったが、患者たちとの出会いで生きる希望を見出していく。
原作は世界120カ国以上で翻訳された人気作家パウロ・コエーリョの同名小説で、監督は「渋谷怪談」などで知られる堀江慶。真木よう子のほかに韓国の若手俳優イ・ワン、市村正親などが出演した。
【注目ポイント】
なんと言っても、注目は本作で激しい濡れ場を演じた真木よう子だろう。
自暴自棄になっていたトワだが、風変わりな患者や院長、そして同じ患者で精神を病んで口がきけなくなった青年クロード(イ・ワン)を通し、生きる目的を見出していく。
あるときトワは女性患者から、「みずからを受け入れ、幸福を感じるためには性的快楽を感じるといい」と説かれる。そんなトワは物語終盤、惹かれていたクロードに恋人になってほしいと頼み、月光が指す部屋で自慰行為を始める。
クロードがじっと見つめるなか、トワはピアノにもたれかかり、乳房をあらわにしながらみずから股間をまさぐるのだ。そして、鍵盤のダーンという音とともに激しい絶頂を迎える。
真木よう子の裸体と汗が月光に照らされた姿に、神々しさすら感じるシーンだ。トワは生きる意味を完全に見出し、その後、クロードら病院のメンバーと祝祭のごとくパーティーに興じる。
夜が明け、クロードと病院を抜け出したトワは、海辺でついに彼と結ばれた。このシーンでは真木よう子の顔だけをカメラは写す。身体は映らないが、表情だけで快楽や喜びを表現する彼女の演技力に脱帽せざるを得ない。
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