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史上最悪のアニメ実写化…世紀の大失敗日本映画(2)。盛大なズッコケ…意味不明な混乱、映画レベルにない駄作

text by 高梨猛

昔懐かしの昭和アニメ。巨大ロボットや、セクシーな女性キャラクターが活躍する物語は、誰もが憧れ、アニメの世界を実際に目にしてみたいと思うだろう。それを叶えるのが映画である。多くの人の心に残る作品は実写化への期待が高まる。しかし今回は満を持して実写化されたものの、酷評されてしまった昭和アニメの実写映画ワースト5選を紹介する。(文・高梨猛)

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コスチュームがレオタードじゃない!
テンポの悪さやアクションのショボさが際立つ

『CAT’S EYE キャッツアイ』(1997年)


出典:Amazon

原作:北条司
監督:林海象
脚本:林海象、土屋斗紀雄
出演:内田有紀、稲森いずみ、藤原紀香、原田喧太

【作品内容】

喫茶店を営む愛(内田有紀)、瞳(稲森いずみ)、泪(藤原紀香)の三姉妹のもう一つの顔は、美術品を狙う怪盗・キャッツ・アイ。幼い頃、謎の失踪を遂げた父・黒田画伯の行方を捜すために、父の残した絵画を収集していた。

キャッツ・アイを追う刑事・内海俊夫(原田喧太)は、恋人である瞳の正体がキャッツ・アイであるとは夢にも思っていなかった。

父の行方をつかんだ愛は単身で乗り込むが、敵に見つかり捕らわれてしまう。しかし、探し求めていた父の意外な正体を知ることになる…。

【注目ポイント】

女優の藤原紀香
女優の藤原紀香Getty Images

1981年に『週刊少年ジャンプ』で連載開始。1983年にテレビアニメ化されると、杏里の歌う主題歌も大ヒットした人気作品。

その実写映画版は1997年に公開。愛、瞳、泪の来生三姉妹が、怪盗「キャッツ・アイ」として活動しつつ、謎の失踪を遂げた父の行方を探すという基本設定を踏襲しつつも、秘密結社・紅龍団の陰謀が絡むなど、映画オリジナルの展開に。

さらに漫画、アニメでは次女の瞳が主役格だが、映画版の実質的な主役は内田有紀扮する三女の愛となっている。

当時は“スタイリッシュな映像派”と目されていた林海象が監督。来生三姉妹は、セクシー担当の長女・泪に藤原紀香、クールな次女・瞳に稲森いずみ、そして主役の三女・愛に内田有紀と、バランスの良いキャスティングが実現。

しかし、そのスタイリッシュさに酔ってしまったのか、画面は暗く、テンポも悪く、敵の組織も暗黒舞踊の方々が登場したりと、混沌とした展開に。

キャッツ・アイのコスチュームがレオタードではなく、ボンデージ風のスタイルになっているのは、時期的に『バットマン・リターンズ』のキャットウーマンの影響だろう。

肝心のアクションも、ケイン・コスギまで引っ張ってきたわりにはキレがなくてモッタリしており、俳優陣の演技もどこかたどたどしく盛り上がらない。

テレビのスペシャルドラマだったら許せるが、映画館で観るほどのレベルではないという意見が多かったのも頷ける、出オチ感たっぷりな作品だ。

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