史上最悪のアニメ実写化…世紀の大失敗日本映画(3)。演技力最低、超大コケで速攻打ち切り…誰も知らない珍作
昔懐かしの昭和アニメ。巨大ロボットや、セクシーな女性キャラクターが活躍する物語は、誰もが憧れ、アニメの世界を実際に目にしてみたいと思うだろう。それを叶えるのが映画である。多くの人の心に残る作品は実写化への期待が高まる。しかし今回は満を持して実写化されたものの、酷評されてしまった昭和アニメの実写映画ワースト5選を紹介する。(文・高梨猛)
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知らない人も多い不遇の作品
肝心なアクションシーンが盛り上がらず不発…
『CUTIE HONEY -TEARS-』(2016)
原作:永井豪
監督:A.T.、ヒグチリョウ
脚本:中澤圭規、田中靖彦
出演:西内まりや、三浦貴大、石田ニコル
【作品内容】
大気汚染が拡大する近未来の日本。富裕層は、空気の汚染されていない“上層階”に住み、貧困層は上層階から流される汚染物質が流れる“下層階”で暮らしていた。
ある日、上層階から下層階に1体の美しいアンドロイド・如月瞳が落ちてくる。
上層階の新聞記者・早見青児(三浦貴大)は、瞳と、上層階に反抗する下層階のレジスタンスと一緒に瞳は人類の危機を救う戦いに挑む。
【注目ポイント】
昭和アニメの名作『キューティーハニー』を、まったく新たな設定で実写映画化。
上層部には富裕層が暮らし、汚染された下層には貧困層が暮らす重層構造都市となっている近未来の日本。ある日、早見青児という少年が、空から女性が墜落したのを目撃する。
その女性は、如月博士がタワーが脱出させた瞳と名のるアンドロイドだった。20年後、レジスタンス組織に加わるようになっていた青児は、キューティーハニーとして闘う瞳と遭遇。その瞳を追って、都市機能を管理するアンドロイドのジルが動き出す。
ちょっぴりセクシーなヒロインアクションとして、いまも様々なコンテンツが製作されている「キューティーハニー』。
実写映画としては、2004年に公開された佐藤江梨子主演、庵野秀明監督版の『キューティーハニー』が有名だ。アニメ版主題歌をカバーした倖田來未がこの作品を契機にブレイクを果たすなど話題を呼んだが、興行的に大敗。
とはいえ、アニメと実写が融合した独特のアクション描写や、庵野節ともいえる演出など、一部で再評価されつつある。それから12年後に製作された西内まりや版『TEARS』は、原作からさらに飛躍したオリジナル設定で意気込み十分だったが、話題にもならず、その存在を知らない人も多い不遇の作品。
無論、ヒットにも恵まれず、公開初週からトップテン入りすることなく、早々に上映は打ち切られた。
アクションの特訓をして挑んだという西内まりやが演じる如月瞳=キューティーハニーはアンドロイドという設定なのだが、そもそも人間味を感じない西内まりやの演技力と相まって、劇中で何が起きてもまったく盛り上がらない。
西内まりや本人が歌う主題歌『BELIEVE』も不発となった。
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