究極のマフィア映画は?映画史に残る犯罪映画の傑作(5)最強の続編!何度観ても震えるギャング映画の金字塔
映画史に燦然と輝くマフィア映画の数々。敵勢力との抗争に血道を上げ、死と隣り合わせの日々をおくるマフィアのエキサイティングな人生は、映画的という言葉にふさわしい。今回は、数あるマフィア映画の中から、重厚な物語と背筋の凍るようなスリルが味わえる傑作だけをセレクト。究極のマフィア映画たちをご紹介する。
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何度観ても震えるギャング映画の金字塔
前作よりもパワーアップした展開に注目
『ゴッドファーザー PART II』(1974)
製作国:アメリカ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:マリオ・プーゾ、フランシス・フォード・コッポラ
キャスト:アル・パチーノ、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン、ロバート・デ・ニーロ
【作品内容】
コルレオーネ・ファミリーは本拠地をニューヨークからラスベガスに近いタホー湖畔へ移していた。縄張りを狙っていたハイマン・ロスの手下ロサト兄弟から襲撃され、難を逃れたマイケルは、偉大な時代を生きた父ビトーを想う。
父ビトーは母を殺され、難民としてアメリカに来た後ファミリーを築く。マイアミでファミリーのボスたちの会合を持った後、マイケルはキューバへ赴き、利権獲得のため工作を図るが、兄フレドーの裏切りに気づく。
やがて犯罪調査委員会の公聴会に呼ばれたマイケルは、裏切り者のペンタンジェリに証言を覆させて追求をかわすが、妻のケイは次第にマイケルから離れていき…。
【注目ポイント】
1972年に公開された『ゴッドファーザー』の続編であり、三部作から成る「ゴッドファーザー・サーガ」において、最も重要な作品として位置づけられる、映画史上に燦然と輝く傑作。
観客と映画批評家の両方から大絶賛を受けた前作の続編として、監督のコッポラはじめ、原作者で脚本担当のマリオ・プーゾ、音楽担当のニーノ・ロータ、撮影監督のゴードン・ウィリス、美術監督のディーン・タヴォウラリスら主要な製作スタッフが続投。新旧様々なキャストを迎え、前作からわずか2年後に製作された。
全米公開後、前作を上回る記録を出すことはできなかったものの興行的に成功を収めた。批評家たちからも高い評価を受け、同年度のアカデミー賞では作品賞を含む9部門でノミネート。
そのうち作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞・作曲賞・美術賞を受賞。アカデミー作品賞を受賞した映画の続編が再び作品賞を受賞したのは、現在に至るまでアカデミー賞史上唯一の快挙だ。
1993年には前作に続き、アメリカ国立フィルム登録簿の保管作品にも選ばれた作品となった。
本作では、コルレオーネ一家が、どのようにして形成されていったのかが過去パートとして描かれる。そこに、前作で家業を継承したマイケル・コルレオーネの苦悩を描く現代パートが交わり、巧みな構成によって一つの大きな流れを創り出す。
前作同様、マフィアを扱った本作品。しかし、その内容は前作よりさらに濃く、冷徹で、感情的な起伏が激しい場面が目立つ作品となっており、マフィアの栄枯盛衰がきわめてリアルに描かれている。
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