大爆死! 巨額赤字で総スカン…世紀の失敗映画(4)。究極のやらかし映画…全てを破壊した200億円の大赤字
今回は映画を大ヒットを企図して制作されたものの、大方の期待を裏切って大ハズレをかまし、巨額の赤字を生んだ作品をセレクト。人気ゲームの実写化や劇団四季でお馴染みの名作ミュージカルの映画化など、力を入れて作ったにもかかわらず、期待外れに終わった失敗作が勢ぞろい。映画史に名を残す赤っ恥映画を5本紹介する。今回は第4回。(文・寺島武志)
●マドンナの元夫がやらかした!? ハリウッドで最も赤字を出した映画
『キングアーサー』(2017)
原題:King Arthur: Legend of the Sword
製作国:アメリカ、イギリス、オーストラリア
監督:ガイ・リッチー
脚本:ジョビー・ハロルド、ガイ・リッチー、ライオネル・ウィグラム
キャスト:チャーリー・ハナム、ジュード・ロウ、アストリッド・ベルジェ=フリスベ、エリック・バナ、デビッド・ベッカム
【作品内容】
中世から語り継がれるアーサー王伝説をモチーフにした物語。青年アーサー(チャーリー・ハナム)は王の子でありながらも、貧しく路地裏のスラムで暮らしていたが、伝説の聖剣エクスカリバーを手に入れ、人生が劇的に変化していく。アーサーの親の仇役をジュード・ロウが演じている。
【注目ポイント】
ワーナー・ブラザースが、監督にガイ・リッチーを、脚本にジョビー・ハロルドを起用し、アーサー王伝説を題材とした映画6部作を製作するというプロジェクトを発表し、同作はその第1弾として公開された。同作は、中世から語り継がれているアーサー王伝説をモチーフとするソードアクションエンタテインメント作品だ。
王の子でありながらスラムで育った貧しい青年アーサーが、伝説の聖剣エクスカリバーを手にし、救世主として語り継がれる存在へと成長していく姿を描いている。アクションシーンではCGなどを多用し、いかにもお金をかけているといった作品だ。
同作は、製作費が1億7500万ドルだが、北米でも全世界でも全く興収が振るわず、ハリウッドで最も大赤字を出した映画とされ、これによりワーナー・ブラザースは1億5000万ドルの赤字を計上したため、続編は製作中止となった。「シャーロック・ホームズ」シリーズを成功に導いたガイ・リッチーという人物は、ハリウッドでは高く評価されていたものの、日本ではどちらかといえば、「マドンナの元夫」という方が強い印象だ。
しかし、ガイ・リッチーはこの後、ディズニーで「アラジン」の監督を務め、ご存知のように世界的な大ヒットを記録し、見事、表舞台に返り咲いた。
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