大爆死! 史上最悪の少女漫画実写化…大失敗の日本映画(4)主演の演技が下手すぎて…観るに耐えない失敗作
現在、少女コミック原作の実写映画は数えきれない程存在するが、原作ファンから大ブーイングをくらった作品も少なくない。最近なにかとすぐに実写にして話題を集めようとする傾向があるが、なかにはお粗末な作品もちらほら・・・。今回は、そんな中でも特に失敗が際立つ少女コミックの実写化映画5作品を紹介する。
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主人公の演技がカタすぎる!?
キャスティングが賛否を呼んだ問題作
『アオハライド』(2014)
上映時間:122分
監督:三木孝浩
原作:咲坂伊緒
脚本:吉田智子
キャスト:本田翼、東出昌大、新川優愛、吉沢亮、藤本泉、小柳友、高畑充希、千葉雄大、岡江久美子
【作品内容】
中学1年生の双葉(本田翼)と洸(東出昌大)は互いに淡い恋心を抱いていたが、洸の突然の転校によって離れてしまう。4年後、高校2年生になった双葉は洸と思いがけず再会を果たすが、洸は以前とは正反対のクールな性格に変わってしまっていた。
『ストロボ・エッジ』などの作品を手掛けた咲坂伊緒による同名人気コミックを、『君の膵臓を食べたい』の吉田智子が脚本を務め、『ホットロード』『陽だまりの彼女』の三木孝浩がメガホンをとり実写映画化した青春ラブストーリー。
【注目ポイント】
原作は『全国書店員が選んだおすすめコミック2012』の3位に選ばれるなど、名作として名高い。そんな名作の実写映画版の主演にキャスティングされたのが、東出昌大と本田翼。
ビジュアル的には申し分ない。一方、原作に合ってるかと言われると首をかしげてしまう上、肝心のお芝居に説得力が感じられず、実際、レビューサイトでは不満の声も散見できる。
今でこそ、東出昌大を純愛映画にキャスティングしたら、女性たちから大ブーイングが起こるだろう。しかし、今回のポイントは彼のスキャンダルではもちろんない。
東出の朴訥としたお芝居は、作品によっては素晴らしい印象をもたらす。たとえば、黒沢清監督による『予兆 散歩する侵略者 劇場版』(2017)では悪役を演じ、棒読みのセリフ回しが掴みどころのない印象を与え、役に不気味さを付与していた。
また、東出のお芝居のテイスト自体、年齢を経るごとに変わっており、自律神経失調症を患う男を演じた『草の響き』(2021)、実在するプログラマーに扮した『Winny』(2023)といった近年の作品では、深みのある芝居を披露している。
とはいえ、東出が役者としてキャリアを形成する初期に製作された本作は、純度100%の「青空映画」だ。ストレートな感情表現が求められる作品であり、掴みどころがなさが魅力の東出の演技とは、不幸な行き違いが生じてしまっている。
吉沢亮や高畑充希など、今観ると超豪華キャストが脇を固めている。しかし「メインがこれじゃあ…」と途中で観るのを止めてしまった原作ファンも多いのではないだろうか。
本作の失敗を挽回したいという意図があるのかどうか定かではないが、WOWOWドラマとして再実写化が決定。2023年9月22日から放送が開始する同作では、キャスティングも若手俳優に一新されている。
今度こそは成功して原作ファンを安心させてほしい。
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