大絶賛! 史上最高の少女漫画実写化は? 大成功の傑作日本映画(1)まるで芸術品…美しくも切ない圧巻の演出
「一度はこんな恋をしてみたい」と、世の女性たちが1度は憧れを抱いたことがあるだろう少女漫画。近年はそんな少女漫画原作の実写映画が続々と製作され、公開されるたびに注目を集めている。今回は数ある少女漫画の実写映画の中でも、原作のイメージを崩さないどころか、原作を超えたと賞賛を浴びる、ファン納得の作品を5本セレクトした。
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まるで芸術品のような美しい作品
大人も楽しめる切ない恋
『溺れるナイフ』(2016)
上映時間:111分
監督:山戸結希
原作:ジョージ朝倉
脚本:井土紀州、山戸結希
キャスト:小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅、上白石萌音、志磨遼平、斉藤陽一郎、嶺豪一、堀内正美、市川実和子、ミッキー・カーチス
【作品内容】
東京でモデルをしていた夏芽(小松菜奈)は、父の故郷である田舎に引っ越すことに。田舎での生活にがっかりする夏芽だったが、地元一帯を仕切る神主一族の跡取り息子コウ(菅田将暉)と出会い、お互いに惹かれ合っていく。
原作は『別冊フレンド』(講談社)にて、2004年~2014年まで連載された映画化された同名コミック。作者は『ピース オブ ケイク』でも知られる漫画家・ジョージ朝倉。映画『あの娘が海辺で踊ってる』『5つ数えれば君の夢』などの山戸結希監督がメガホンをとり実写映画化した青春ラブストーリー。
【注目ポイント】
今作のストーリー構成はもちろん素晴らしいのだが、1989年生まれの女性監督・山戸結希が魅せる演出方法に注目してほしい。
特に夏芽がコウを海に突き落とし、2人で海に沈んでいくシーンは、映画ならではの美しさが際立ち、芸術作品を見ているような感覚にさせてくれる。一般的な胸キュン恋愛映画とは少し異なる独特の雰囲気もあり、大人も楽しめる作品だ。
しかし、少女漫画原作らしさもしっかりある。夏芽とコウは、周りのクラスメイト達とは違って少し擦れた印象。そんな中、自転車を2人乗りで漕いでいくシーンは子供らしいあどけなさがあり、甘酸っぱい青春を思い出させてくれる。そのギャップを出せるのは、小松菜奈と菅田将暉の2人だからこそであろう。
撮影当時2人ともすでに成人を迎えており、中学生を演じるのは少し無理があるのでは? と思う方も多いかもしれない。しかし、そうした懸念は一瞬で砕かれる。両者は達観した少年・少女の刹那的な雰囲気をリアルに体現しており、見る者は瞬発力のある演技に圧倒されること請け合いだ。
現在夫婦であるこの2人は本作が公開された4年後に、映画『糸』で再共演。両者の初々しいアンサンブルを堪能できるという点でも、見応えのある一作だ。
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