黒歴史確定!? ミュージシャンの演技が堪能できる映画(1)大根芝居炸裂の迷作から知られざる良作までセレクト
才能あふれるミュージシャン。中には本業以外のジャンルに進出し、活躍する者もいれば、「よせばよかったのに」と叩かれる者もいる…。今回は大物ミュージシャンの演技が堪能できる映画作品を5本ピックアップ。ステージでは無類の存在感を放つカリスマ歌手の、意外な一面が楽しめる作品ばかりを揃えた。今回は第1回。(文・ZAKKY)
●現在の筋骨隆々っぷりとは異なる、飄々とした街の兄ちゃんっぷりが似合う!
長渕剛
『男はつらいよ 幸福の青い鳥』(1986)
上映時間:102分
製作国:日本
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、朝間義隆
キャスト:渥美清、倍賞千恵子、志穂美悦子、長渕剛、有森也実、下絛正巳、三崎千恵子、前田吟、吉岡秀隆、太宰久雄
【作品内容】
『男はつらいよ』シリーズの37作目。寅次郎(渥美清)は萩から下関を通り、かつて炭鉱で栄えた九州の筑豊に旅に来ていた。昔訪れた芝居小屋を見つけ、座長が亡くなったことを知り、お悔やみを述べに行く。座長の一人娘で、かつて「大空小百合」の芸名で活躍していた美保(志穂美悦子)に声を掛けると、美保も寅次郎のことを思い出す。唯一の肉親を亡くした美穂に、寅次郎は、「幸福の青い鳥がほしい」という彼女を一生懸命元気づけ、立ち去り際に何かあったら葛飾柴又のとらやに来るように勧めるのだが…。
【注目ポイント】
近年は俳優としての姿をあまり見せることがなくなってきた長渕剛であるが、80年代半ば~90年代にかけては、歌手活動と平行して、俳優業にも精力的であった。
そんな若き長渕は、日本が誇る往年のシリーズ映画『男はつらいよ』に抜擢。まだ肉体改造をされる前の華奢な風貌で、美保のことが気になる不器用な若者・倉田健吾役を、初々しくも肝の座ったで演技で、観る者を魅了した。
マドンナ役の志穂美悦子とは、テレビドラマ『親子ジグザグ』(1987)でも共演。この作品を期に出会い、恋人同士の役柄から現実でも結婚に至ったことは、当時大きな話題となった。
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