海外絶賛! 2000年以降、世界で最高評価の日本映画(2)鬼のような喝采と高評価…名作リメイクの金字塔
海外にもファンの多い、独特の魅力を誇る日本文化。特に日本映画において世界に知られている人物や作品といえば、昔でいえば黒澤明や三船敏郎、現代でいえばアニメ作品が多いだろうか。今回は、そんな日本映画の中でも、2000年代以降で特に海外で評価されている作品をご紹介する。
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幕末を舞台にした不朽の名作をリメイク
『13人の刺客』(2010)
上映時間:141分
監督:三池崇史
脚本:天願大介
原作:池宮彰一郎
キャスト:役所広司、松方弘樹、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、古田新太、高岡蒼甫、六角精児、窪田正孝、伊原剛志、光石研、吹石一恵、斎藤工、内野聖陽、岸部一徳、平幹二朗、松本幸四郎、稲垣吾郎、市村正親
【作品内容】
江戸時代末期、民衆に不条理な殺戮を繰り返すなど蛮行を繰り返す将軍の弟にして明石藩主・松平斉韶。その暴政を訴えるため明石藩江戸家老・間宮が切腹自害する。
表立って行動を起こせない筆頭老中・土井は、斉韶暗殺を決断し、お目付役の島田新左衛門に命じる。新左衛門は、斉韶の所業を調ベると、その鬼畜ぶりが明らかとなる。
【注目ポイント】
1963年に製作された工藤栄一監督、池上金男脚本、片岡千恵蔵主演による同名作品を、三池崇史監督、天願大介脚本、役所広司主演でリメイクした作品。
勧善懲悪の王道を行く不朽の名作を奇才・三池崇史が大胆に改変。斉韶の300人の手勢に13人で立ち向かう、50分間にも及ぶチャンバラシーンは圧巻のひと言だ。
リメイク作品にも関わらず、欧州では、ベネチア国際映画祭の最高賞にあたる「金獅子賞」にノミネート。ロッテルダム国際映画祭では「観客賞」と、日本映画の中ではトップの8位にランクされる。
アメリカでも、映画サイト「ロッテントマト」において、「リメイク映画ベスト50」で12位、「ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞」外国語映画ベスト5にも選出され、およそ半世紀前に製作されたオリジナル版も再評価されるに至った。
監督の三池崇史は海外で評価の高い現役日本人映画作家の一人。2001年公開の映画『殺し屋1』は、名匠クエンティン・タランティーノの目にとまり、彼の監督作品『キル・ビル』には三池作品のキャスト陣が多く出演している。
他にも、イーライ・ロス(『ホステル』)、ロバート・ロドリゲス(『フロム・ダスク・キル・ドーン』)といったタランティーノと親交の深い映画作家に加え、韓国を代表する映画作家の一人、パク・チャヌク(『オールド・ボーイ』)も三池作品のファンとして知られている。
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