史上最恐…面白すぎるゾンビ映画は? 最もスリリングな名作(2)韓国がやばい! 国民性か…尋常じゃない恐怖
大ヒットした海外ドラマ『ウォーキング・デッド』をはじめ、日本でも多くのゾンビ映画・ドラマが製作されている。一口にゾンビ映画といっても、一つ一つ個性がある。国内・国外、時代など、作品によってゾンビの種類が異なり、倒し方、逃げ方が違うのが醍醐味だ。今回は、我々を様々な角度から恐怖に陥れるゾンビ映画を5本セレクトして紹介する(文・野原まりこ)
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感染不可避…新幹線で起こるゾンビパニック!
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)
上映時間:118分
原題:부산행/TRAIN TO BUSAN
製作国:韓国
監督:ヨン・サンホ
脚本:パク・ジュスク、ジョースーク・パーク
出演:コン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク
【作品内容】
ソウルでファンドマネージャーをするソ・ソグは、妻のナヨンとは別居しており、実母と娘・スアンと3人で暮らしていた。スアンの誕生日、母親に会いたいという娘の願いを受け入れ、ソグはスアンを連れ、新幹線でナヨンの住む釜山に向かう。
新幹線発車前、様子のおかしい客が乗車してくると、介抱しようとした客室乗務員に噛みつき、車内はあっという間に混乱に陥る。娘を必死に守るソグ。次の駅に着けば助かるはずだったが、すでに車内だけでなく、国全体に感染が広まっていた…。
【注目ポイント】
本作は新幹線内で繰り広げられるパンデミックという設定が唯一無二であり、とにかく観ていてハラハラドキドキできる、凄まじい一作だ。本作のゾンビは激しく凶暴なタイプであり、逃げきれなかった人が次々に襲われていくため、終始気を抜けない。
また、噛まれてからの感染スピードもものすごく早いのも特徴だ。海外ドラマ『ウォーキング・デッド』のような腐ったゾンビと比べると人間の形はそのまま保たれている。その分、体の内側から何かが暴れ出しているかのような、生々しいグロさがあり、「生理的に受け付けない」という人も多いのではないだろうか。
そして本作のゾンビは、死に身のくせに生命力を感じるほどに、とにかく走る。
狭い車内で身動きが取れない中、逃げられない恐怖と気持ちの悪いゾンビが迫ってくる恐怖がダブルで襲ってくる。
大体のゾンビ映画は、噛まれてから数十分〜数日かけてゾンビに変化していくのがポピュラーであり、ノロノロと歩くイメージが強いのに対し、本作が描く韓国産のゾンビは待った無し。この尋常じゃないスピード感には国民性が関係しているのではないかと、ついつい妄想をたくましくしてしまうほどだ。
そして約2時間という尺の中で繰り広げられる人間ドラマにも目が離せない。大切な存在を守るために自分の身を呈す者。自分が生き残るために他人を陥れる者。希望を失って生きることを諦める者…。
主人公をベースに個性豊かな人々が、各々の正義を貫いて死んでいくのには思わず涙する。
ゾンビの設定と人間ドラマの両方に見応えがあり、ゾンビ映画好きとしては避けて通れない作品と言えるだろう。
閉塞した空間でゾンビに追いかけられる!