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えっ…あのセリフは脚本にない!? 日本最高のアドリブ俳優(2)日本最高の男…コメディ俳優の頂点の実力とは?

映画の撮影は、本番前にリハーサルをすることが一般的である。カメラや役者がどのような動きをするのか綿密に計算されて作られている。しかし、そうした段取りを裏切り、突然台本にはない動きをする役者がいる。そうした“リアル感”は計算外の面白さを生み出すこともある。今回は、撮影中にアドリブ芝居が多い役者を5人セレクトして紹介する。(文・野原まりこ)

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安心感の塊。これがコメディ俳優の頂点だ!

ムロツヨシ『今日から俺は!!劇場版』(2020)


出典:Amazon

原作:西森博之
監督:福田雄一
脚本:福田雄一
出演:賀来賢人、伊藤健太郎、清野菜名、橋本環奈、仲野太賀、矢本悠馬、若月佑美、柳楽優弥、山本舞香、泉澤祐希、栄信、柾木玲弥、じろう、長谷川忍、猪塚健太、愛原実花、鈴木伸之、磯村勇斗、ムロツヨシ、瀬奈じゅん、佐藤二朗、吉田鋼太郎

【作品内容】

ムロツヨシ公式Instagramより
ムロツヨシ公式Instagramより

1980年代。軟葉高校に転校してきた2年生の三橋貴志(賀来賢人)と、トゲトゲ頭の伊藤真司(伊藤健太郎)はコンビを組み、喧嘩に明け暮れる毎日を送っていた。

3年生になったある日、かつて激しい戦いをした開久高校の一角を、北根壊高校が間借りすることになった。

極悪で有名な北根壊で番長の柳鋭次(柳楽優弥)と大嶽重弘(栄信)は、智司(鈴木伸之)と相良(磯村勇斗)という“頭”を失った開久の生徒に良からぬ商売を始める…。

【注目ポイント】

ムロツヨシといえば、キャッチーな風貌とファニーな芝居が特徴であり、演劇界のコメディアン的な要素を担う役者だ。本作でも終始ふざけ倒した芝居は、どこからどこまでがセリフで、どこからどこまでがアドリブなのかはもはや不明である…。

ムロツヨシのアドリブは、映画版にはじまったことではなく、ドラマ版からだという。

ネット上では、ドラマの放送ごとにムロツヨシと佐藤二朗の芝居に関する感想が上げられ、話題を呼んだ。それは映画版になっても変わらない。いや、むしろパワーアップしているのではないだろうか…。

だが、ムロツヨシの自由なアドリブは、本作を監督した福田雄一の全幅の信頼あってのこと。

彼の役者としての実績と、どんな時でもムロツヨシであれば面白くしてくれると信頼している福田監督の、2人の関係があってこそ成り立つことでもある。

本作でも遺憾無く発揮された独特な言い回しや、反町先生演じるシソンヌ・長谷川忍とのボケとツッコミの掛け合いは、まるでコントを見ているようである。

ムロツヨシが画面に登場した瞬間、いつどんな面白いことをしてくれるのかと、目が離せなくなってしまう。

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