昭和を愛するインフルエンサー・阪田マリン、心の映画(2)「ただただ眺望の眼差しで観ているという(笑)」
各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語っていただくインタビュー企画。今回登場するのは、20代にして昭和カルチャーに真底ハマり、「ネオ昭和」を提唱しつつ、昭和のよさを現代に発進し続ける、阪田マリンさん。そんな彼女に、大好きな昭和の映画を紹介してもらった。(文・ZAKKY)
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「主題歌に心打たれて聴くたびに泣いています」
舞台女優が見舞われる悲劇を描く
『Wの悲劇』(1984)
―――次に挙げていただいたのが、薬師丸ひろ子さん20歳の時に主演をつとめた、澤井信一郎監督による名作です。
「舞台女優を目指す主人公・三田静香の物語なのですが、様々な試練や悲しみを乗り越えて奮闘している、薬師丸さん演じる彼女を見ているうちに、いつの間にか感情移入をしてしまった作品ですね。もう、薬師丸さんの演技が上手すぎて、感情移入の後は、ただただ、眺望の眼差しで観ているという(笑)」
―――カタルシスを感じる映画ということですかね?
「そうだと思います。だから、繰り返し観てしまうんでしょうね。主題歌『Woman”Wの悲劇”より』も、薬師丸さんが歌っておられて、もう、その楽曲にも、あまりに心を撃たれすぎて、聴くたびに泣いています。女同士のドロドロとした人間関係もあり、大人の世界って怖いなあという描写も見応えのある作品です。
私、昭和の映画を観る時に、人物の背景にある建築物やインテリアにも目が行ってしまうんですよ。あと、「この時代の人はこんな煙草を吸っていたんだ」とか。『Wの悲劇』ではホテルのシーンのインテリアが素敵でした。昭和のアイテムが散見できるのもこの映画の魅力です」
―――マリンさんならではの着眼点ですね。
「ただ、このような昭和の映画を観た後、私、ちょっと病んでしまうんですよ。なんで私は、この時代を生きられなかったんだろうって(笑)。だから、なんかいつも落ち込んでしまいます。大好きな映画を観て、謎にダウナーになるという。まあ、ないものねだりの贅沢な悩みですが(笑)。
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