昭和を愛するインフルエンサー・阪田マリン、心の映画(4)「女豹的な。私のために争わないで的な(笑)」
text by ZAKKY
各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語っていただくインタビュー企画。今回登場するのは、20代にして昭和カルチャーに真底ハマり、「ネオ昭和」を提唱しつつ、昭和のよさを現代に発進し続ける、阪田マリンさん。そんな彼女に、大好きな昭和の映画を紹介してもらった。(文・ZAKKY)
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片岡義男の短編小説を基にした青春映画
『スローなブギにしてくれ』(1981)
―――続いては、浅野温子さん主演の名作です。
「とにかく、小悪魔的な女性・夏子を浅野さんが演じている時点で、最高です。2人の男性を弄んで、あっちに行ったり、こっちに行ったりする、女豹的な。私のために争わないで的な(笑)。自分が、そういう状況になったとしたら、夏子のような行動はできないからこそ、女として憧れるキャラクターですね。
あと、浅野さんが運転している車が白のマスタングなんですけど、当時の車の内装にも見入りました。レバーでクルクル回して窓を開けるだとか、私世代からすると、その一手間がカッコよかったりするんですよ。
また、部屋のシーンでは、当時の外国の文化を取り入れた、洋風なインテリアが多いのも、気になりました。冷蔵庫ひとつ取っても、お洒落なんですよね。当時の一般家庭にあったカルチャーが、普通に飛び込んでくるので、私からすれば、宝の山のような映画ですね」
―――40年後の観客がそんなに細かいところまで見てくれるとは、この映画の製作陣は夢にも思わなかったでしょうね。
「それと、南佳孝さんによる主題歌『スローなブギにしてくれ (I want you)』が、これまた物語にジャストフィットしていて、良いんですよ。最後に夏子と、紆余曲折あった男・ゴロー(古尾谷雅人)が仲直りするのですが、その再会の場であるバーのマスターが、「お前ら、一曲聴いていけよ」とレコ-ドに針を落としてこの曲が流れるんですね。粋な演出がめちゃくちゃ好きです」
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