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昭和を愛するインフルエンサー・阪田マリン、心の映画(5)「昭和の夜の世界への憧れを改めて感じさせてくれる」

text by ZAKKY

各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語っていただくインタビュー企画。今回登場するのは、20代にして昭和カルチャーに真底ハマり、「ネオ昭和」を提唱しつつ、昭和のよさを現代に発進し続ける、阪田マリンさん。そんな彼女に、大好きな昭和の映画を紹介してもらった。(文・ZAKKY)

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「昭和の夜の世界への憧れを改めて感じさせてくれる」
バブル全盛期に撮られた角川春樹監督作品

『キャバレー』(1986)

インスタグラムより
インスタグラムより

―――最後に挙げられたのが角川春樹監督作品です。

「この映画は、喧嘩、夢、恋愛といった男性の欲望がギュッと詰め込まれたような作品だと思います。劇中に、当時のリアルなキャバレーのホステスさんたちが出演しているところも、見どころです。

あと『メイン・テーマ』でも言及した野村宏伸さんが、主人公の矢代俊一役として出演しているのですが、心なしか演技に磨きがかかっています(笑)。キャバレーでサックスを演奏しながら、プロのミュージシャンを夢見ている役柄なんですが、その駆け出しの青年感が、本当に絶妙で。野村宏伸さんの役柄に合った演技が、私、本当に好きなんだなと再確認した作品です。

矢代は、滝川(鹿賀丈史)というヤクザに気に入られるのですが、滝川を消そうとしている二人組の話を盗み聞き、滝川に伝えるなど、事件に巻き込まれてゆく2人の関係性もワクワクします。さらにホステスの英子(三原順子)と恋仲になったりだとか、もう誰が主人公でも、おかしくないとも言える配役とストーリー構成が見ものです。

またこの話になってしまいますが、ネオン感などが施されたキャバレーの内装が、また、昭和でいいんですよ(笑)。加えて、そこで働いているホステスさんたちの服装やパーマを当てた髪形も魅力的です。

また、キャバレーでジャズを弾いている人たちの佇まい、ダブルのスーツ姿なども素敵ですね。昭和の夜の世界への憧れを改めて感じさせてくれます。ビジュアルだけでなく、 様々な立場の人間の、色んな感情がうごめいているサマが心に染みる映画ですね」

―――昭和は今より不便だったからこそ、感情表現や生身のコミュニケーションが豊かな時代だったのかもしれませんね。

「ええ 、それは、無い物ねだりなんですけど、すごく思います。現代を生きている20代の自分自身、世の中が便利すぎるが故に何かを失っているのではないか、という感覚に陥るときがあるんですよ。別に知らなくてもいいことを知ってしまう時代に生きているとでも言いますか。

「別に、これ、私の人生で必要ないやん」っていう情報に触れることで、悩む必要のないことで落ち込んでしまったり。自分が楽しく生きるために必要最低限の情報やモノで楽しめていた時代が、私の思う“昭和”なんです」

―――昭和を生きてきた方たちが聞いたら驚くような分析ですね!

「いえいえ、ありがとうございます! 私はただ単に好きなだけなので(笑)。もっと語りたいところなので、他の作品についても少し話しますね(笑)。舘ひろしさん主演の『皮ジャン反抗族』(1978)における、舘さんのあどけなさも好きです。あ!でも、現在のシブい感じのほうがもっと好きです…(笑)!

あと、和田アキコさん主演の『女番長 野良猫ロック』(1970)も、カッコいいですね!当時の、後から音声を収録しているアテレコ感も、鑑賞した際にとても気になった手法でした」

―――なるほど…。今日はいろいろ勉強させていただきました(笑)。ありがとうございました!

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