シリーズ途中で強制終了…悪夢の打ち切り超大作映画(1)実は大コケ!? 右肩下がりで萎んだ残念な理由は?
アメリカやイギリスなどで名作と言われるファンタジー小説の映像化。日本で有名なあのヒット映画のなかには、権利の問題があったり、意外にも製作国では興行成績が全然振るわずシリーズの途中で打ち切りが決まってしまう作品がある。今回は、大ヒットと思われた大作5本の魅力を紹介するとともに、打ち切りになってしまった理由を解説していく。
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なぜ「ファンタビ」離れは防げなかったのか…。
J・K・ローリングが脚本に参加した「ハリー・ポッター」のスピンオフ
『ファンタスティックビースト』シリーズ(2016~2022)
上映時間:133分
監督:デビッド・イェーツ
原題:Fantastic Beasts and Where to Find Them
キャスト:エディ・レッド・メイン、キャサリン・ウォーターストーン、ダン・フォグラー、アニソン・スドル、コリン・ファレル、ジョニー・デップ
【作品内容】
魔法動物学者のニュート・スキャマンダー。魔法動物をこよなく愛する彼は世界中を旅しながらケガをした魔法動物達を保護し、彼が持つ魔法のトランクケースの中で暮らしていた。ある日、そのトランクが人間のものとすれ変わってしまい、ニューヨーク中に魔法動物たちが逃げ出してしまうー。
「ファンタスティック・ビースト」はJ・K・ローリング原作映画「ハリーポッター」シリーズのスピンオフであり、これまで『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018)、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022)が公開されており、全5作が制作予定だった。
【注目ポイント】
このシリーズは『ハリー・ポッターと賢者の石』の70年前を舞台にし、ホグワーツ魔法魔術学校指定教科書「幻の動物とその生息地」の著者であるニュート・スキャマンダーを主人公に据えた『ハリー・ポッター』のスピンオフシリーズである。「ハリー・ポッター」の原作者であるJ・Kローリングが原案のみならず、脚本づくりにも参加したことが話題を集めた。
日本では『ファンタビ』の愛称で親しまれ、国内興行収入は約73.4億円を記録。また、北米でもまずまずの興行収入を残したが、ダニエル・ラドクリフ主演の「ハリー・ポッター」シリーズ並みの興行収入を期待した製作陣にとっては、やや消化不良とも言える結果に終わった。
その後、巻き返しを計り、2作目(『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』)、3作目(『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』)と続編を発表するも、興行収入は右肩下がり。現時点で、4作目以降の実現が不透明となっている。
続編に暗雲が立ち込めている理由は、興行収入の低迷が第一に挙げられるが、それに加え、新型コロナウイルスの影響も大きい。2018年に2作目が公開された後、パンデミック明けの2022年に3作目が公開されることになったわけだが、4年間もの空白は、ファンの「ファンタビ」離れを招くのに十分であった。
また、「ハリー・ポッター」の原作者であるJ・Kローリング氏はあくまで原作者であり、映画脚本の執筆経験がないにも関わらず、脚本家に起用したことも要因のひとつであると言われている。
今後、「ファンタビ」シリーズは「ダンブルドアの秘密」を持って打ち切りとし、戯曲『ハリー・ポッターと呪いの子』を映像化することでハリー・ポッターに原点回帰させるという見方もある。
どんな形であれ、愛する作品の続きが観られるというだけでも、ファンたちにとっては嬉しいもの。続報に期待したい。
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