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シリーズ途中で強制終了…悪夢の打ち切り超大作映画(2)理解不能の原作改変…右肩下がりの大コケで消滅

アメリカやイギリスなどで名作と言われるファンタジー小説の映像化。日本で有名なあのヒット映画のなかには、権利の問題があったり、意外にも製作国では興行成績が全然振るわずシリーズの途中で打ち切りが決まってしまう作品がある。今回は、大ヒットと思われた大作5本の魅力を紹介するとともに、打ち切りになってしまった理由を解説していく。

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子ども時代に誰もが行きたかった王国ー。
原作ファンから猛反発に遭う

『ナルニア国物語』シリーズ(2005~2011)


出典:Amazon

上映時間:104分
監督:アンドリュー・アダムソン
原題:The Chronicles of Narnia: The Witch, The Lion and The Wardrobe
キャスト:ウィリアム・モーズリ、アナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー、ティルダ・スウィントン、リーアム・ニーソン

【作品内容】

創造主のライオン「アスラン」により開封された、架空の世界ナルニアを舞台に、20世紀に暮らす4人兄弟が現実世界とナルニア国を往復しながら、与えられた使命を果たす冒険ファンタジー。

「ナルニア国物語」はイギリスの作家、C・S・ルイス原作の全7巻からなる児童小説シリーズで1950年から1956年にかけて出版され、これまで『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』(2005)、『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』(2007)、『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』(2011)が公開されており、2023年7月に、Netflixによる実写リメイク企画が始動している。

【注目ポイント】

ティルダ・スウィントン
女優のティルダスウィントンGetty Images

親を亡くした4人の兄妹たちが疎開先の屋敷で遊んでいると、衣装タンスがナルニア国に通じていることを知り、そこに足を踏み入れることで彼らの冒険が始まる…。日常から非日常への鮮やかなステップで幕を開ける映画『ナルニア国物語』は、めくるめく映像美で観客を魅了。公開当時、夢中になった子供たちも多いのではないだろうか。

その世界観は独特そのもの。想像上の動物や幻想的な世界観には熱狂的なファンも多く、第1章で雪の女王がくれる魅惑のお菓子「ターキッシュライト」は、ナルニアファンであれば、一度は食べてみたいと思ったことがあるものだろう。

決して採算が取れなかったわけではない本作だが、打ち切りの要因は原作からの改変点が、ファンから快く受け入れられなかった点にあるようだ。

原作では初めに戦争による空襲から逃れる描写が描かれ、戦死した父親の存在をめぐり、長男と次男がもともと対立していたことが分かる。そしてナルニア国で出会う、ライオンのアスラン王は、キリストを置き換えたもので、原作を読むと、まず神である前に彼ら4人の父親だということが読み取れる。

しかし映画は、疎開先の屋敷から始まり、次男エドモンドは思春期特有の反抗期のような描かれ方となっている。原作が含み持っている豊かなメッセージを切り捨て、単純化してしまったことに原作ファンは納得がいかなかったようだ。

2011年公開の3作目が芳しくない結果に終わり、『ナルニア国物語』の話題はパッタリと途絶えたように思えたが、2023年に入り状況が一転。Netflixがナルニア国物語の全7巻の映像権を獲得し、今年日本でも大ヒットした『バービー』の監督であるグレタ・ガーヴィグが、まずは2部作で『ナルニア国物語』をもとに2本の映画を制作することを発表したのだ。

ちなみに内容は続編ではなく、1章から始まるという説が濃厚となっている。

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