名作ぶち壊し…史上最低のリメイク日本映画(4)脚本がペラペラ…薄い内容にとっ散らかった設定で無惨に大爆死
優れた映画は国境を超え、異なる地域でリメイクされる。リメイク版の作り手は、オリジナルを超えるために知恵を絞るわけだが、中には、残念ながら力及ばず、縮小再生産になるどころか、オリジナルに泥を塗るような出来栄えの作品も。今回は、海外の映画をリメイクしたものの、不評を買った作品を5本厳選してご紹介する。
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複数のテーマが交通渋滞…。興行的にも大爆死
『MONSTERZ モンスターズ』(2014)
上映時間:112分
監督:中田秀夫
脚本:渡辺雄介
原案:『超能力者』(2010・韓国)
キャスト:藤原竜也、山田孝之、石原さとみ、田口トモロヲ、仲野太賀、松重豊、木村多江、落合モトキ、三浦誠己、藤井美菜、川尻達也、森下能幸、平山祐介、松岡恵望子、林田直樹、佐藤詩音、土師野隆之介
【作品内容】
韓国映画『超能力者』を原案としながらも、ストーリーに改変を加えたリメイク作品である本作。
視界に入った人間を意のままに操ることができる超能力者の男(藤原竜也)がいた。その能力は諸刃の剣で、超能力を使えば使うほど体の一部が壊死してしまう。その男は超能力を持って産ませた親を殺してしまい、人に知られず孤独に暮らしていたが、ある日、自分の能力で操れない男・田中終一(山田孝之)が現れ、静かな生活を脅かされる。
自分の存在意義や生きている意味に葛藤している超能力者の男は、終一との出会いに困惑しながらも、闘いを挑む。終一も受けて立ち、超能力者の抹殺を誓うという物語だ。
【注目ポイント】
藤原竜也と山田孝之という、日本映画界を引っ張る個性派2人の共演が最大の見どころだが、いかんせん、それに見合う脚本の内容が薄く、藤原と山田の演技力とキャラクター設定だけで押し切ってしまった感だけが残る作品だ。
超能力のみならず、アクション要素や、家族を殺される絶望感、LGBT、トレカ収集家も登場するなど、テーマを詰め込み過ぎて、人物設定が取っ散らかっており、肝心の本筋が曖昧になってしまった点も残念だ。
ジャパニーズホラーの大家・中田秀夫監督をもってしても、この脚本では、見せ場を作ることも困難であったであろう。興行収入も10億円に届かなかった。
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