ネタバレ厳禁…? 東野圭吾原作のおすすめ映画(1)。母と娘が入れ替わる…! 号泣必至の名作
日本を代表するミステリー作家・東野圭吾原作のおすすめ映画をご紹介。90年代に製作された初期代表作から、作家の本領が発揮された本格サスペンス、SF要素の強い異色のラブストーリーまで、幅広くラインナップ。謎が謎を呼ぶ展開に翻弄され、感動のラストに涙する。エンターテインメントの魅力がたっぷりつまった作品群をご堪能あれ。
●亡くなった妻の意識が幼い娘に乗り移る…。涙を誘うミステリー仕立てのファンタジー
『秘密』(1999)
監督:滝田洋二郎
脚本:斉藤ひろし
キャスト:広末涼子、小林薫、岸本加世子、石田ゆり子
【作品内容】
自動車部品メーカーで働く杉田平介(小林薫)は、妻・直子(岸本加世子)をスキーバスの転落事故で失う。バスには高校生の娘・藻奈美(広末涼子)も同乗していたが、すんでのところで一命をとりとめる。しかし、意識不明の状態から目覚めた藻奈美の人格は、直子と入れ替わっていた。平介は不可解な出来事に戸惑うも、世間的には父と娘として、家庭内では夫婦として過ごすことになる。その後、藻奈美は医大に入学。藻奈美の体で生き返った直子は、2回目の青春を謳歌する一方、平介との心の距離は徐々に広がっていくのだった…。
原作は1998年9月に刊行された同名小説。デビュー以来「無冠の帝王」として、ブレイクするきっかけを掴めずにいた東野圭吾にとって、最初の代表作となった。滝田洋二郎監督による本作は、同小説の初の実写化作品。その後、2007年にはアメリカ・フランス合作『秘密 THE SECRET』が公開(日本では未公開)、2010年には志田未来主演でテレビドラマ化された。
【注目ポイント】
事故に巻き込まれた母と娘。生還した娘が目覚めると、人格は母そのものであった…。斬新な設定を持つ本作は、夫の目線から物語が語られることで、第一級のミステリー、あるいは一風変わったラブストーリーとなっている。果たして主人公は、娘の体を持つ妻を今までどおり愛することができるのか…。
ヒロインの藻奈美に扮するのは、当時若干19歳の広末涼子。母・直子と娘・藻奈美の人格が頻繁に入れ替わる、複雑な役柄を透明感のある芝居で好演している。ちなみに映画では、事故が起きた時、藻奈美は17歳であるが、原作では11歳となっている。
時を経るにつれて、直子の人格が消えていき、藻奈美の人格が大半を占める展開に。妻との永遠の別れを描写したクライマックスは感涙ものだが、映画はその先の展開も描いている。他言無用、ネタバレ厳禁のラストは必見だ。
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