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つまらなすぎて大コケ…2023年、ガッカリの最悪ドラマ(5)敏腕Pにハズレのレッテル…足し算だらけの失敗作

text by 編集部

2023年はコロナが落ち着き、世の中が平常に戻った年であった。そんな中、テレビ局も生き残りをかけて様々な工夫が施されたドラマが多数存在するが、残念ながら視聴者をガッカリさせてしまった作品もある。今回は、2023年の最もつまらなかった民放ドラマを5本セレクト。視聴率低迷の原因も解説する。

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ジャンル盛り盛りで視聴者のターゲット層が曖昧

『Dr.チョコレート』


出典:Amazon

放送期間:4月22日~6月24日
放送時間:土曜22:00~22:54
脚本:渡辺雄介
原案・企画:秋元康
最高視聴率:8.6%
キャスト:坂口健太郎、白山乃愛、西野七瀬、葵わかな、鈴木紗理奈、前田旺志郎、古川雄大、眞島秀和、香椎由宇、山本耕史、安達祐実、小澤征悦、斉藤由貴、平子祐希、石川恋、青木瞭

【作品内容】

「Dr.チョコレート」の異名を取る天才的外科医の腕を持つ10歳の少女・寺島唯(白山乃愛)が、唯が「ティーチャー」と呼ぶ義手の元医者・野田哲也(坂口健太郎)の2人を中心に、6人のメンバーからなる「チョコレートカンパニー」を結成。どんな状況下でも、ワケあり患者の命を救うスペシャリスト集団が活躍する物語。

手術を依頼する上での条件は、現金1億円と秘密保持契約。そして、唯の好物のチョコレートを用意することだ。唯は、爆破事件によって両親を失っていたが、父親の手術を見様見マネで再現しているうちに、そのスキルを手に入れたという。

手術を依頼した患者は、執刀医として少女が登場すると、驚くと同時に、その腕に疑念を抱くが、その度に唯は「年齢なんて、ただの数字」と言い放ち、数々の命を救っていく。その反面、両親を奪った爆破事件について、事故を偽装した殺害と信じて疑わず、野田とともに、その真相に迫っていく。

【注目ポイント】

主演を務めた坂口健太郎
主演を務めた坂口健太郎Getty Images

秋元康氏プロデュースの下、『卒業タイムリミット』(NHK総合)や『フェルマーの料理』(TBS系)を担当した渡辺雄介氏が脚本を担当した本作。

とにかく唯を演じた子役・白山乃愛の芸達者ぶりが際立ち、バディーを組む野田役の坂口を相手に、堂々とした演技を披露した。その後、『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系)では、松岡茉優演じる小山田みちるの娘・まに役を演じている。

秋元プロデュースのドラマは『あなたの番です』(2019年)や『真犯人フラグ』(2021年)といったヒット作も多いが、当たり外れも大きく、本作については“ハズレ”のレッテルを貼られる結果となってしまった。

その要因は諸々考えられるが、そのファンタジー過ぎる設定と、医療ドラマの中に、サスペンス要素を加えたことで、視聴者のターゲティングが曖昧になってしまったことが挙げられる。視聴率は1桁続きだったものの、土曜夜の放送だったことを勘案すれば“爆死”とまでは断言できないだろう。

ドラマそのものよりも、主演の坂口を食う存在感を見せた白山の演技に注目が集まり、「東宝シンデレラオーディション」グランプリ受賞者の中では、2000年の長澤まさみ、2011年の上白石萌歌を超える逸材という評価を得た。

今後、優れた作品との出合いによっては、一気に一流俳優の仲間入りを果たすポテンシャルを見せたといっていいだろう。

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