「アドリブに震える…」菅田将暉史上最高の演技! おすすめ映画(3)。衝撃の暴力…! 不穏な狂気が充満するのは?
text by 編集部
大作映画から低予算のインディーズ映画まで、幅広い規模の作品で唯一無二の存在感を発揮。菅田将暉は、今や日本映画に欠かせない存在である。今回は、どんな役柄でも完璧にこなす、稀代のカメレオン俳優である彼の「演技力が堪能できる作品」を5本セレクトした。
●暴力に明け暮れる若者たちを活写した衝撃作。アドリブを駆使した狂気の演技にふるえる
『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)
監督:真利子哲也
脚本:真利子哲也、喜安浩平
キャスト:柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎
【作品内容】
幼少期に両親を亡くし、港町で喧嘩に明け暮れる芦原泰良(柳楽優弥)は、ある日、同居していた弟の将太(村上虹郎)の元からこつ然と姿を消した。繁華街に現れた泰良は、道行く人々に次々と喧嘩を仕掛ける。高校生の北原裕也(菅田将暉)は、街中で暴れまわる泰良にシンパシーをおぼえ、彼と行動を共にするようになるのだが…。
【注目ポイント】
街に繰り出しては誰彼かまわず殴りかかる。野獣のような性格の主人公に魅了されるキャラクターを、菅田将暉は狂気的なパフォーマンスで体現。
菅田が演じた裕也は小心者として描かれている。一方、恐怖心を欠いた、純然たる野獣である泰良(柳楽優弥)は正反対の素質を備えている。そんな泰良に影響を受けるあまり、みずからも暴力のトリコになっていく過程には、不穏な狂気が充満している。
リアリティ豊かに描写される喧嘩シーンは見応え抜群だが、暴力への批判的な視点も織り込まれており、たんなるアクション映画を超えた、倫理的な問いかけをはらんだ作品となっている。柳楽優弥や村上虹郎をはじめとした、若手俳優陣とのアドリブを駆使した掛け合いも見どころの一つとなっている。
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