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宝物の輝き…映画史の金字塔! 史上最高の続編映画(5)誰もが号泣…完璧な完結編に忍び寄る「魔の手」とは?

text by 高梨猛

面白い映画を観た時、その作品がシリーズ化された時ほど嬉しいことはない。前作を超えた感動と、宝物が1つ増えたような喜びを感じずにはいられない。しかし、シリーズの中でもとびきりお気に入りの作品があるはずだ。そこで今回は、人気シリーズの中で、最も完成度と満足度の高い、シリーズ最高傑作をセレクトして紹介する。(文・高梨猛)

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大人になったアンディーとの別れに号泣。完璧な完結編のはずが…。

『トイ・ストーリー3』(2010)

唐沢寿明
主人公ウッディの日本語吹き替えを担当する唐沢寿明Getty Images

監督:リー・アンクリッチ
脚本:マイケル・アーント
出演:トム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザック

【作品内容】

公開当時はシリーズ完結作と謳われていた第3弾。共同監督として『モンスターズ・インク』や『ファインディング・ニモ』を手掛けたリー・アンクリッチの初の単独監督作。

少年だったアンディも17歳となり、大学進学することに。バズやジェシーといったオモチャたちは屋根裏部屋に仕舞われるはずが、間違って捨てられてしまう。

アンディ離れを決意したオモチャたちは、たっぷり遊んでくれる子どもたちがいるサニーサイド保育園に向かう。

【注目ポイント】

世界初のフルCG長編アニメーションだった『トイ・ストーリー』は、そのビジュアルの物珍しさだけでなく、「おもちゃの世界」という設定と、絶妙なストーリーテリングで世界中で大ヒットを果たす。

そのキャラクターの魅力と世界観を更に拡大した『2』は、レアおもちゃとコレクターの業まで描き、テーマ性も十分だった。

そして完結編と謳われた『3』は、ピンチの連続に奇想天外な脱出作戦など、賑やかで飽きさせない展開のなか、捨てられたオモチャたちの哀しみや、オモチャとは何かというアイデンティティにまで迫る。

そして、アンディとの別れと、新たな出会いを描く号泣必至のエピローグ…。まさに完璧な完結編であり、これ以上なく綺麗にまとまっているのだが、商業主義の魔の手は『4』を生み出してしまう。

逆にいえば、今後シリーズが続けば続くほど『3』は神格化されていくだろう。

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