「二人の兄弟感がすごい」妻夫木聡が出演する最高の映画(5)。陰影豊かな表情に共感、名脇役ぶりを見せつけた一作
text by ZAKKY
11月18日公開の話題作『ある男』で主演を務める、妻夫木聡。1998年にテレビドラマ「すばらしい日々」で俳優デビューして以来、着実にキャリアを積み重ね、名実共に現代の日本映画界になくてはならない名優となった。そんな彼の、今一度振り返りたい出演作を5本セレクトした。(文:ZAKKY)
二宮和也の兄役を自然体の芝居で好演
『浅田家!』(2020)
「家族がなりたかったもの」「家族でやってみたいこと」をテーマにした、愛らしい家族写真で注目を浴びた写真家・浅田政志の2冊の写真集が原案。監督は『湯を沸かすほどの熱い愛』で数多くの賞に輝いた、中野量太。
妻夫木は、主人公・浅田政志(二宮和也)の兄・浅田幸宏を演じ、安定感のある演技で名脇役ぶりを見せつける。二宮と醸し出す「兄弟感」は、見事だ。
劇中で、妻夫木演じる浅田幸宏は、真面目で実直なキャラクター像であり、なかなか定職につかず、フラフラしている弟とは正反対のタイプ。従来の妻夫木のイメージとピッタリと思えるが、今回は、役作りも兼ね、本物の浅田家と対面する機会を設けたという。
また、東日本大震災も、本作の重要なテーマになっている。悲劇的な出来事がモチーフの一つになっているということもあり、妻夫木の陰影豊かな表情には、人々の共感を呼ぶ。深いリアリティーがこもっている。
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