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ヤバすぎてドン引き! 暴力・性描写…ぶっ飛び時代のドラマ(4)もはや犯罪…問題だらけで葬られた理由とは?

text by 寺島武志

コンプライアンス意識の低かった時代、映画もドラマもやりたい放題だった。暴力、過激な性描写、宗教問題、闇金…今の時代からは考えられないような描写を含むドラマが多数存在していた。中にはスポンサー降板の事態に陥る寸前の作品まであったという。そこで今回は、不適切にもほどがあるドラマを5本セレクトして紹介する。(文・寺島武志)

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注釈テロップが差し込まれるもカバーできない問題が山積み

『17才-at seventeen-』(1994)

内田有紀【Getty Images】
内田有紀Getty Images

放送期間:1994年4月28日~9月1日
放送時間:木曜20:00~20:54
放送局:フジテレビ系
脚本:戸田山雅司、岡田惠和、両沢和幸、田中一彦、樫田正剛
キャスト:内田有紀、一色紗英、武田真治、伊崎充則、山本太郎、シューベルト綾、須藤公一、伊原剛志、天本英世、モト冬樹、浅田美代子、細川俊之、飯島直子

【作品内容】

セントウェルトン高等学院を舞台に、平穏な高校生活を送る生徒たち。しかしある日、内田有紀演じる日高巧美の登場により、波乱含みの展開となっていくという青春ドラマ。

【注目ポイント】

フジテレビが、10代をターゲットにした「ボクたちのドラマシリーズ」の1つとして複数のドラマが製作され、売り出し中の若手俳優がそこからブレークを果たした。本作はその流れを汲む派生的な作品だ。

ヒットメーカーの岡田惠和が脚本に名を連ね、多くの人気ドラマを手掛けた鈴木雅之の演出によって、様々な問題にぶつかり、それを乗り越えていく等身大の高校生の日常を描いており、キャスト陣のはつらつとした演技も含めて共感を呼んだ作品だったのだが、ある問題が浮上する。

それは、飲酒や喫煙シーンの多さ。特に武田真治が演じ、巧美に思いを寄せる火野に至っては、とにかくタバコばかり吸っているヘビースモーカーだ。

巧美も、一色紗英演じる翠の父・紺二郎(モト冬樹)と晩酌するのが日課で、酒を飲みまくっている始末。彼らのたまり場でもあるカフェ「ピーズ」でも、伊原剛志演じるマスターの松岡も、高校生と知っていながら、平気で酒を提供している。

“高校生のリアル”と追求した末の描写だったのだが、こうしたシーンが問題視され、スポンサー降板騒ぎにまで発展してしまう。

これを受けフジテレビ側は「法律で未成年の飲酒は堅く禁じられています」というお断りのテロップを流すことで、何とか最終回まで放送にこぎつける。TBS系ドラマ『不適切にもほどがある!』(2024年)と同じ手法で乗り切った形だが、テロップさえ出せば何をしても許されるのかといえば、そうではないだろう。

結果、本作は再放送NGどころか、配信もソフト化もされず、その視聴率すら公表されていない。文字通り「幻のドラマ」として葬り去られたのだ。

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