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最悪の改変…原作者がブチギレた? いわくつきの民放ドラマ(2)ジャニーズごり押しで激怒…大炎上の結末は?

text by 寺島武志

日本で製作されるドラマの多くは、小説や漫画が原作になっている。世界観を忠実に再現した作品は高評価を得ることができ、ドラマにも原作にも相乗効果を生む。しかし中には、ありえない改変をほどこし、視聴者のみならず原作者まで敵に回してしまう残念な作品が存在する。そこで今回は、原作者が激怒したドラマを5本紹介する。(文・寺島武志)

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「我が子が身売りされた気分」原作者が痛烈な批判を浴びせる

『おせん』

女優の蒼井優Getty Images

主演:蒼井優
放送期間:2008年4月22日~6月24日
放送時間:火曜22:00~22:54
放送局:日本テレビ系
原作:きくち正太
脚本:大石静、神ひとえ、高橋麻紀、白金カナ
最高視聴率:10.3%
他キャスト:内博貴、杉本哲太、向井理、鈴木蘭々、工藤里紗、森田彩華、奥村知史、宅間孝行、渡辺いっけい、余貴美子、由紀さおり、松方弘樹

【作品内容】

実家の旅館を手伝うため老舗料亭・一升庵に弟子入りした江崎ヨシ夫(内博貴)が、料亭の看板娘で、店を切り盛りする女将・おせんこと半田せんと出会う。

酒好きで自由気ままなおせんだが、次々と降りかかる難問を、持ち前の美的センスと心意気で解決していく。

【注目ポイント】

原作漫画は単なるグルメ漫画ではなく、職人気質の大工や極道の親分など一癖も二癖もある登場人物も多く、そのテーマもグルメの枠を超えた日本の伝統文化を描くストーリー展開となっている。

主人公の半田せんを演じたのは、連続ドラマ初主演で、その後、一流俳優に成長する蒼井優だ。

しかし、ストーリーは内が演じるヨシ夫を中心に描かれ、アンチから反感を生み、その演技力を批判する声から、過去の飲酒騒動まで持ち出されて、炎上してしまう事態となる。

加えて、原作者のきくちが、ドラマを目にし「原作とのあまりの違いにショックを受けたため、創作活動を行えない」と声明を出し、突然、「イブニング」での連載を休載してしまう。

きくちは「作品とは作者にとって子どものようなもので、その子どもが嫁に行き、幸せになれるものと思っていたら、それが実は身売りだった」と、痛烈にドラマ版を批判し、その矛先は旧ジャニーズ事務所と、その所属タレをゴリ押しで起用したテレビ局にも向けられた。

それを受け、最終話でのテロップでは「原作」ではなく「原案」という表記に変わった曰くつきの作品となってしまった。

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