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かわいすぎて魅力的…最も愛されたNHK朝ドラヒロイン(4)ガラ悪い…けど最高! 歴史を変えたカリスマとは?

text by 寺島武志

NHK連続テレビ小説といえば、若き女優の登竜門とも呼ばれるドラマ作品。朝ドラを毎朝の楽しみとしている人も多く、朝ドラのヒロインは、お茶の間の顔と言っても過言でない。ヒロインが魅力的であれば、作品そのものの評価にも繋がる大事な存在だ。今回は、数ある朝ドラ至上最も魅力的なヒロインを5人セレクトして紹介する。(文・寺島武志)

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これまでの朝ドラを変えたと言われるパワフル主人公

『カーネーション』(尾野真千子、夏木マリ)

女優の尾野真千子
尾野真千子Getty Images

主人公:小原糸子(モデル:小篠綾子)
放送期間:2011年10月3日~2012年3月31日
脚本: 渡辺あや
最高視聴率:25.0%
主演:尾野真千子→夏木マリ

【作品内容】

大正2(1913)年、大阪・岸和田の呉服店の長女として生まれた小原糸子(尾野真千子)。幼い頃からだんじり祭りが大好きであったが、女性であるためにだんじりに乗れないなどの不自由を感じていた幼少期に、ドレスとの出会いで洋裁に興味を持つ。

女学校に進学後、初めてミシンを目にし衝撃を受け、糸子は父親の反対をってパッチ店に就職する。

その後、弱冠21歳で自らの洋裁店を開店し、夫の戦死や3人の子育てを乗り越えながら、人生を洋服を捧げて生きる。そして糸子の3人の娘たちもまた、洋服に魅入られた人生を歩むことに…。

【注目ポイント】

渡辺あやによる脚本と、尾野真千子らキャスト陣の演技も相まって“朝ドラ史上最高傑作”との呼び声も高い本作。

コシノヒロコ、コシノジュンコ、コシノミチコの3姉妹を娘に持つ、実在のファッションデザイナー・小篠綾子をモデルに描かれた。

主人公を演じた尾野真千子は、既に様々な賞を受賞するなど実績十分だったが、本作出演によって、ギャラクシー賞のテレビ部門・大賞を朝ドラとして初めて受賞した。その後の活躍は言うまでもないだろう。

朝ドラのヒロインといえば、健気な少女が困難の中でもひたむきに生きる、そんなイメージが何となく世間でも定着していることだろう。ドラマ『リーガル・ハイ』(2012~2014、フジテレビ系)において堺雅人演じる古美門研介が、部下の黛真知子(新垣結衣)のことをそんな風に揶揄したこともあった。

本作の主人公・糸子は、健気とは程遠い。ガラも悪く、清廉潔白なヒロインではなかったのは確かだ。では糸子に視聴者が惹きつけられたのはなぜか。それは、洋服を作るという目的の為に他者を圧倒する情熱である。

これまでの朝ドラにあった、みんなが共感できるヒロインではなく、自分の世界に他者を巻き込むカリスマ性が糸子にはあったのだ。ファッションデザイナーとして日本の洋裁業界に大きな足跡を残した人物の人生を描くことで、朝ドラに新たな世界観を持ち込んだことが、本作が高評価を得た大きな理由だろう。

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