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視聴者にそっぽ向かれた…期待外れのワースト冬ドラマ(1)でたらめ設定で大爆死…衝撃の低視聴率だったのは?

text by 寺島武志

今や配信で様々な作品が気軽に観られる時代の中、テレビも負けじと良作を生み出そうと必死だ。しかし残念ながら視聴者の期待に添えずに不評に終わる作品も存在する。今回は2024年1月から3月にかけて放送された冬ドラマの中でも最もつまらなかった民放ドラマを5本セレクト。不評だった理由も徹底解明する。(文・寺島武志)

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視聴率3パーセント台まで低迷
荒唐無稽な設定に大人視聴者置いてけぼり

『マルス-ゼロの革命-』

俳優の板垣李光人
俳優の板垣李光人Getty Images

放送期間:2024年1月23日~3月19日
放送時間:火曜21:00~21:54
放送局:テレビ朝日系
脚本:武藤将吾
キャスト:道枝駿佑、板垣李光人、吉川愛、井上祐貴、横田真悠、山時聡真、泉澤祐希、江口洋介、戸塚純貴、山口紗弥加、岩松了、菜葉菜、徳井健太

【作品内容】

桜明学園の逢沢渾一(板垣李光人)は自殺を試みたところを謎の転校生・美島零(道枝駿佑)に止められる。落ちこぼれの高校生たちは零に導かれ、動画集団「マルス」を結成。理不尽な大人たちに反旗を翻していく姿を描く、爽快な新感覚青春ドラマ。

【注目ポイント】

『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(2019・日本テレビ系)といった学園サスペンスドラマから、『桜の塔』(2021・テレビ朝日系)の硬派な警察ドラマ、加えて、2017年からは仮面ライダーシリーズにも参加するなど、幅広い作風を持つ武藤将吾の脚本。

桜明学園に突如として現れた美島零は時にはヒーロー視され、またある時は、仲間の死やアンチからの中傷によって活動休止に追い込まれながらも、マルスの敵であり、政府とズブズブの関係にありながら、陰では数々の不正行為を働いているクロッキー社のCEO・國見亜門(江口洋介)に制裁を下すというストーリーだ。

零というカリスマが突然現れ仲間を募り、学園や社会を巻き込みながら、最終的には存在そのものがなかったことになるというエンディングも含めて、予測不能なストーリーはなかなか手の込んだものだったが、徹底的に知能で勝負するのかと思いきや、暴力シーンがあったりと、一貫性がなく、その結果、視聴者離れを起こし、平均世帯視聴率は3%台にまで落ち込む。

「なにわ男子」の中では随一の人気を誇り、グループ結成前からドラマに出演するなど、演技経験豊富な道枝駿佑を主役に立て、敵役にも江口洋介を立てるなど、力の入った作品だったが、ドラマの設定が荒唐無稽過ぎたことで、とても大人向けとはいえず、さらには、なにわ男子を含めたSMILE-UP推しの視聴者からも「道枝くんが可哀想」という声まで上がる始末。

道枝演じる零が、動画配信の際に獣の被り物をする設定は、同時期に放送された『新空港占拠』(日本テレビ系)と重なる部分もあり、視聴者の心を揺さぶるまでには至らなかった。

しかしながら、道枝の演技力には目を見張るものがあり、本人も未経験だったアクションにも初挑戦するなど、今後の伸びしろを期待させる作品だったともいえる。役柄にさえ恵まれれば、俳優として大ブレークを果たす可能性もありそうだ。

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