視聴者にそっぽ向かれた…期待外れのワースト冬ドラマ(3)裏切られた…予想外すぎる展開で混乱したのは?
今や配信で様々な作品が気軽に観られる時代の中、テレビも負けじと良作を生み出そうと必死だ。しかし残念ながら視聴者の期待に添えずに不評に終わる作品も存在する。今回は2024年1月から3月にかけて放送された冬ドラマの中でも最もつまらなかった民放ドラマを5本セレクト。不評だった理由も徹底解明する。(文・寺島武志)
ーーーーーーーーーーーー
医療ドラマがいつの間にか暗殺ゲームものに…
ミステリードラマとしても中途半端
『グレイトギフト』
放送期間:2024年1月18日~3月14日
放送時間:木曜21:00~21:54
放送局:テレビ朝日系
脚本:黒岩勉
キャスト:反町隆史、波瑠、佐々木蔵之介、津田健次郎、倉科カナ、筒井道隆、尾上松也、坂東彌十郎、小野花梨、明日海りお、盛山晋太郎、片山萌美、市川知宏、藤野涼子、濱正悟、中島瑠菜
【作品内容】
急性心不全を引き起こし、悪用されれば完全犯罪を可能にする謎の殺人球菌「ギフト」。大学病院の病理医・藤巻達臣(反町隆史)は、「ギフト」の存在に気づいたことから、妻の主治医である白鳥稔(佐々木蔵之介)を中心とした様々な人物に利用され、「ギフト」を利用した殺人事件に関与することになってしまう。
【注目ポイント】
完全犯罪を可能にする謎の殺人球菌「ギフト」を発見した反町隆史演じる大学病院の病理医・藤巻達臣が、院内や医療界での権力争い、謎の連続殺人に巻き込まれるサバイバル医療ミステリードラマ。
複数のジャンルを跨いだ挑戦作であり、期待度も高かった本作だが、視聴者の予想を裏切る展開が続いていく。
劇中、藤巻は妻を“人質”に取られたことによって、医療界のトップに立つ白鳥に度重なる謀殺に協力させられてしまう。さらには、ギフトを使ってのし上がろうとする院内の人々のエゴが渦巻き、いつ誰が殺されるか分からないカオスな展開となる。
白鳥による手術シーンも驚くほど少なく、物語が進むに連れ、「医療ドラマ」の色は徐々に消え失せていき、さながら“暗殺ゲーム”と化していく本作。加えて、視聴者にとっては犯人探しが見どころの1つだったにも関わらず、“灯台下暗し”を地で行くような意外性のない真犯人に、苦笑いした人も多かったことだろう。ミステリードラマとしても中途半端だった印象だ。
主役を務めた反町隆史は、従前のパワフルなイメージをかなぐり捨て、消極的で、語り口もボソボソとしたキャラクターを務めたが、お世辞にもハマったとは言い難かった。あまりの滑舌の悪さに「音量を上げないとセリフが聞き取れない」という声もあったほどだった。
【関連記事】
視聴者にそっぽ向かれた…期待外れのワースト冬ドラマ(1)
視聴者にそっぽ向かれた…期待外れのワースト冬ドラマ(4)
視聴者にそっぽ向かれた…期待外れのワースト冬ドラマ(全作品紹介)