視聴者にそっぽ向かれた…期待外れのワースト冬ドラマ(5)悪夢の2.8%…21世紀最悪の視聴率だったのは?
今や配信で様々な作品が気軽に観られる時代の中、テレビも負けじと良作を生み出そうと必死だ。しかし残念ながら視聴者の期待に添えずに不評に終わる作品も存在する。今回は2024年1月から3月にかけて放送された冬ドラマの中でも最もつまらなかった民放ドラマを5本セレクト。不評だった理由も徹底解明する。(文・寺島武志)
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視聴率、21世紀以降でワーストを記録
最終回の満足度高めか
『婚活1000本ノック』
放送期間:2024年1月17日~3月20日
放送時間:水曜22:00~22:54
放送局:フジテレビ系
原作:南綾子
脚本:ニシオカ・ト・ニール、松本美弥子、山岡潤平、藤平久子、原野吉弘
キャスト:福田麻貴、八木勇征、関水渚、野村周平、白河れい、橋本マナミ、中越典子
【作品内容】
売れない小説家(福田麻貴)の前に、自身を捨てた元恋人・山田クソ男(八木勇征)が幽霊となって現れ、綾子に婚活を命じる。女性から恨まれて殺された山田は、成仏するためには死ぬ前に誰かとした約束を果たさなくてはいけない。
奇妙な婚活バディを組むことになった綾子は幸せは訪れるのか――。
【注目ポイント】
南綾子の小説を原作に、主演には、ドラマ初主演となる女性お笑いトリオ「3時のヒロイン」の福田麻貴を抜擢。売れていないものの、官能小説で何とか食いつないでいる女性小説家の婚活をコミカルに描いている。
主人公・綾子(福田麻貴)の傍らには常に、元カレにして、その女たらしの性格が災いし、女性に殺されて死亡した山田クソ男(八木勇征)がいた。成仏できずに幽霊となって綾子の婚活をアシストしていくというファンタジーかコントか分からないような設定が受け入れられず、平均視聴率はなんと2.8%。
この数字は21世紀以降、テレ東を除いたGP帯(ゴールデン・プライム帯=19:00~23:00)ドラマのワースト記録だ。
一方で、第1話の見逃し配信の再生回数が、放送後2日間で100万回再生を記録。決して視聴者の興味をそそらなかったわけではなく、「放送より配信」という時代の流れを映し出しているともいえる。
ストーリーそのものは、婚活に悪戦苦闘し、綾子のライバルで売れっ子作家の九本凛(関水渚)にバカにされながらも、担当編集の相沢はなえ(白河れい)や、韓国料理屋「韓無量」の店長で、婚活の先輩でもある鳥羽奈々(中越典子)、友人の桶谷啓子(橋本マナミ)の後押しもあって、婚活パーティーに参加する男性、および、そこで起きた出来事をオムニバス形式さながらに描いている。
綾子の心の声を、福田自らのアフレコによって説明することによって、分かりやすいストーリーとなっており、最終的には、大会社の御曹司ながら、綾子に出会ってから生き方を変え、小さなデザイン会社に就職、『オバケのQ太郎』に登場するキャラクターのようなモジャモジャ頭によって「小池」というあだ名を付けられたが、実はカツラだった大池貴司(野村周平)と結ばれるラストシーンも心地良いものだった。
結果として、有難くない記録を作ってしまったドラマとなってしまったが、最終回まで付き合った視聴者の満足度は高かった作品といえる。
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