フジテレビ転落の象徴か…史上最低の月9ドラマ(2)完璧に外した…まさかの女性ファン沈黙…衝撃の低視聴率は?
フジテレビ月曜9時枠のドラマといえば、かつては多くの名作を世に放ち社会現象を幾度も引き起こした、視聴者にとって最も注目を集める枠だった。しかし、中には残念ながら視聴者からの評判が振るわない作品も存在する。今回は、歴代の月9ドラマ作品の中で、特に視聴者から評判が悪かったとされるワースト作品を5本紹介する。(文・寺島武志)
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月9にはそぐわない「裏社会」テーマが敗因に…。
『極悪がんぼ』
主演:尾野真千子
放送期間:2014年4月14日~6月23日
原作:田島隆、東風孝広
脚本:いずみ吉紘、池上純哉、伊志規哲也
最高視聴率:13.6%
他キャスト:椎名桔平、三浦翔平、仲里依紗、竹内力、板尾創路、小林薫、宮藤官九郎、オダギリジョー、三浦友和
【作品内容】
舞台は架空の都市・金暮(かねくれ)町。主人公・神崎薫(尾野真千子)は貧乏な人生から脱出するために、節約を重ねながら貯金をしていたが、同僚に金を貸したことが発端で、多額を借金を背負わされてしまう。
人生のどん底に落ちた薫は”小清水経営コンサルタント”の職員と知り合ったことをきっかけに、自らも裏社会の一員となり、裏切りや出し抜き合いの中でもがきながら、一筋縄ではいかない厄介ごとを解決する。ズル賢い人々の中で懸命にもがき、持ち前の負けん気根性でどん底から這い上がる物語。
【注目ポイント】
田島隆、東風孝広によるマンガが原作の本作。しかし、主人公の性別、ドラマの舞台、主人公の勤務先が「探偵事務所」から「経営コンサル会社」となるなど、設定に複数の改変がなされている。
主演の尾野真千子はじめ、宮藤官九郎、オダギリジョー、三浦友和などの個性派が好演を見せ、サスペンス要素もあり、毎回のゲスト出演キャストも豪華で、上質な復讐劇を描いている。その世界観を表現した氣志團による主題歌「喧嘩上等」も好評だった。
にも関わらず、本作の平均視聴率は9.9%と低空飛行。その要因は「闇金」という、月9枠としてはあまりにもそぐわない作品テーマにあるだろう。その作風の落差に既存の月9ドラマファンが離れることになり、それが視聴率に現れた形だ。
同枠の前作が恋愛ものの『失恋ショコラティエ』(2014年)だったということも視聴者離れに拍車をかけた。「月9=恋愛ドラマ」の固定イメージが強かったこともあり、元々、月9のメインターゲット層は女性だ。
ところが本作は、主人公の性別を女性に変更したとはいえ、原作からして男性向きの作品。本作放送当時、月9ドラマは既にかつての勢いはなく、平均視聴率15%割れが続いていた。
前作の『失恋ショコラティエ』も、主演に松本潤を起用したにも関わらず、平均視聴率は12.3%に終わっている。この作品を月9で放送に踏み切ったのも、既に低調気味だった月9に新しい視聴者を呼び込むためのチャレンジだったに違いない。
それでも本作の平均視聴率1桁という結果は、同局に衝撃を与え、本作以降、尾野真千子は特別出演を除き、フジテレビのドラマには出演していない。
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