フジ月9ドラマ転落の象徴か…評判最悪の失敗作(5)視聴率が低すぎる…日本列島を激震させた歴史的失敗作とは?
フジテレビ月曜9時枠のドラマといえば、かつては多くの名作を世に放ち社会現象を幾度も引き起こした、視聴者にとって最も注目を集める枠だった。しかし、中には残念ながら視聴者からの評判が振るわない作品も存在する。今回は、歴代の月9ドラマ作品の中で、特に視聴者から評判が悪かったとされるワースト作品を5本紹介する。(文・寺島武志)
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月9史上、初の視聴率1桁をたたき出した失敗作
『婚カツ!』
主演:中居正広
放送期間:2009年4月20日~6月29日
脚本:龍居由佳里、森ハヤシ
最高視聴率:16.3%
他キャスト:上戸彩、佐藤隆太、釈由美子、谷原章介、上田竜也、北村有起哉、小日向文世、りょう、風吹ジュン、橋爪功
【作品内容】
不況のあおりで無職となった草食系男子・雨宮邦之(中居正広)は区役所の臨時職員募集に応募したものの、既婚者であることが採用条件だったことが分かる。
どうしても実家のとんかつ屋を継ぎたくない邦之は「結婚の予定がある」という嘘をついてしまう。しかし、この嘘が商店街中に広まり、それを現実にするために邦之は婚活をはじめることに…。
【注目ポイント】
今では当然となった「婚活」だが、当時はまだ一般的ではなく、どこか“コッソリと行うもの”というものだった。
そんな「婚活」や「草食系男子」など、当時、世間で取りざたされていたトピックをテーマに掲げ果敢に挑んだ意欲作だが、第1話視聴率の16.3%を最高に、第2話では11.2%に急落、そして第3話にはついに、月9史上初めて視聴率が1桁の9.4%をマークしてしまう。
“月9凋落”の象徴のような作品として記憶される結果になってしまった本作だが、なにも主演の中居の演技力に問題があったわけでは決してない。むしろ、地味な草食系男子を上手くこなせてしまったことで、当初、作品イメージがフジテレビ側が期待していたものよりも無難に落ち着いてしまった、とみるのが正しいのではないだろうか。
当時、月曜夜10時より放送されていたバラエティ番組『SMAP×SMAP』を筆頭に、本業であるSMAPのリーダーとしてグループを盛り上げたり、バラエティのMCとしての明るい姿が印象的な中居だが、こと俳優業となるとその明るいイメージが一転、暗めの役柄への定評がある。
特に、2008年に公開された『私は貝になりたい』のリメイク版では、主人公・清水豊松を悲哀たっぷりに演じ、1959年に公開されたオリジナル版の主役・フランキー堺に負けず劣らずの好演を見せている。
中居は本作の後、『ATARU』(2012年、TBS系)、およびその映画化作品『劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』(2013年)に主演。発達障害がありながらも天才的な推理力を持つ「サヴァン症候群」の主人公・アタルの難役を演じ、ドラマは高視聴率をマーク、劇場版も18億5000円の興行収入を上げるなど汚名をそそいだが、現在ではMC業に軸を置き、ドラマ、映画には出演していない。
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