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意外? 世界で最も人気のジブリ映画は…世界興行収入ベスト作品(1)驚異的売り上げ! 心を動かした理由は?

text by 編集部

日本を代表するアニメーション製作会社スタジオジブリ。その人気は全世界に広がり、日本のアニメーション世界を親しむきっかけを作った。そして、国外でも多くの人々に愛されるアニメ映画作品となり、その魅力は高まるばかりである。今回は現地メディア米Colliderを参考に海外で特に高評価を得るジブリ作品5つを紹介する。

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強い女性像に共感者多数
「人間と自然」ジブリ最大のテーマ

『もののけ姫』(世界興行収入:約218億円)

© 1997 Studio Ghibli・ND
© 1997 Studio GhibliND

上映時間:133分
監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
製作:鈴木敏夫
キャスト:松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、西村雅彦

【作品内容】

突如として村を襲うタタリ神「ナゴの守」。やむなく青年アシタカはナゴの守に矢を放ち仕留める。しかしアシタカの右腕はタタリ神との死闘の際に死の呪いを授かる。

呪いを解く方法を探すために、アシタカはタタリ神がやってきた方角へと1人旅に出る。旅の途中に、山犬のモロに育てられた人間の娘サンや森の開拓を進めるタタラ場の長・エボシ御前と出会う。

自然を破壊する人間達と、そんな人間達に争う自然の生き物達。彼らの争いに、アシタカも巻き込まれていく…。

【注目ポイント】

環境保護をテーマとする映画『もののけ姫』(1999)。本作の中心人物と言えばタタリ神と化した猪「ナゴの守」により致命的な死の呪いを右腕に受けた戦士アシタカ(松田洋次)だ。本作はそんな青年アシタカが、神聖な森の神々(シシ神やコダマなど)と、その森の開拓を試みる「たたら場」の長・エボシ御前の間で勃発する、自然対人間の大戦争の渦中に身を置く姿を捉える、大自然へのラブレター的作品とも言える。

本作の物語はアシタカが旅の途中に出会う山犬・モロに育てられた映画のタイトルにもなっている”もののけ姫”のサン(石田ゆり子)という少女の登場で複雑になっていく。

映画『もののけ姫』では作品内に自然の支配を試みる人間の失敗の姿が描かれていたり、日本の民俗学や宗教的思想についての力強いメッセージが発信されている。宮崎駿が描く「“人間”対“自然”」の構造はスタジオジブリ作品には欠かせないものだ。世界共通となるテーマの壮大さもあり、本作の世界的な収益は1億5,034万5,863ドル(約218億円)という驚きの数字となっている。

また海外の観客に支持される理由は他にもある。それは近年ハリウッドで目立つ傾向にある「強い女性キャラクター」の表現を求める呼びかけに深く関わっている。映画『ゴーストバスターズ』シリーズや映画『オーシャンズ』シリーズの主要メンバーは男性から女性へと変化。スーパーヒーロー映画も映画『マーベルズ』(2023)や、DCコミックを原作とした映画『ワンダーウーマン』(2017)などで女性ヒーローが登場するようにもなった。

映画『もののけ姫』に登場するサンやエボシ御前などの女性キャラクター達は、上記のようなハリウッド映画と同様に、ただ単に男性視聴者の目の保養のために女性キャラクターが登場する訳ではない。映画『もののけ姫』に登場する女性キャラクターは、癒しキャラなどではなく、複雑な性格を持つ人間らしさ満点の存在で、強く立派な女性主役というハリウッドの傾向をそのまま保っているのである。そのため『もののけ姫』は欧米の視聴者にも受け入れられやすく、共感を得やすい作品となっているのだ。

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