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日本映画史上最悪の続編は…? 大失敗のシリーズ最低作(3)20億円下落に監督の逮捕まで…悲しき第3弾は?

text by 寺島武志

映画のシリーズ化はファンにとって喜びである一方、やはり前作を超えなければ意味がない。観客の期待はシリーズを追うごとに高まり、上限を知らないからだ。だが上がりきった評判は下がるしかないのが世の常。そこで今回は、残念ながら観客の期待に応えられなかったシリーズ史上最低の日本映画を5本セレクトして紹介する。(文・寺島武志)

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小栗旬から東出昌大へ…。キャスト総入れ替えが裏目に

『クローズEXPLODE』(2014)

東出昌大
東出昌大Getty Images

上映時間:129分
監督:豊田利晃
原作:高橋ヒロシ
脚本:向井康介、水島力也、長谷川隆
キャスト:東出昌大、早乙女太一、勝地涼、岩田剛典、永山絢斗、柳楽優弥、KENZO、広瀬すず、高岡早紀、柿澤勇人、板尾創路、矢本悠馬、奥野瑛太、遠藤雄弥、柳俊太郎、深水元基、やべきょうすけ、高橋努、浅見れいな、鏑木風子、ELLY、野替愁平、丞威

【作品内容】

前作『クローズZERO II』(2009)から1か月後、小栗旬が演じた前2作の主人公・滝谷源治らが卒業し、新年度を迎えた鈴蘭高校を舞台に、新たに勃発する戦いを描いている。

【注目ポイント】

本作は、高橋ヒロシの人気漫画『クローズ』を原作とした『クローズZERO』(2007)、『クローズZERO II』に続く、学園バトル・アクション作品の第3弾で、そのキャッチコピーは「凶乱怒濤。」

新たに鏑木旋風雄(東出昌大)を主人公に、滝谷らが去った鈴蘭高校の頂点の座を目指す。トップに最も近いと言われる男・強羅徹(柳楽優弥)、そのライバルとされる高木哲次(KENZO)や小岐須健一(勝地涼)、一匹狼の山下甲兵(ELLY)ら新3年生が名乗りをあげる中、3年の転入生・鏑木旋風雄と新1年生・加賀美遼平(早乙女太一)が現れたことから、校内の勢力図はカオスと化す。

カオスと化したのは作品だけではない。登場人物がほぼ“総取っ替え”だったため、鑑賞者は、その新キャラクターの特徴をつかむだけで疲れてしまい、若返りを図ったキャスティングが裏目に出て、前作まで本シリーズの世界観を築いた小栗旬や山田孝之が醸し出したギラギラ感も半減した感が否めない。

それは興行収入にも表れ、『クローズZERO』が25億円、『クローズZERO II』が30億2000万円に対し、本作では11.4億円と大きく数字を落としている。

批判の矛先は監督の豊田利晃にも向けられ、前2作のメガホンを取り、“バイオレンスの巨匠”と呼ばれた三池崇史と比較され、経験不足という声が聞かれた上に、覚醒剤取締法違反で逮捕された過去を蒸し返され、挙げ句、2019年には拳銃所持で逮捕されるというオチまで付いた、いわくつきの作品となってしまった。

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