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日本映画史上最悪の続編は…? 大失敗のシリーズ最低作(5)何でそうなる…偉大な傑作を衰退させた原因とは?

text by 寺島武志

映画のシリーズ化はファンにとって喜びである一方、やはり前作を超えなければ意味がない。観客の期待はシリーズを追うごとに高まり、上限を知らないからだ。だが上がりきった評判は下がるしかないのが世の常。そこで今回は、残念ながら観客の期待に応えられなかったシリーズ史上最低の日本映画を5本セレクトして紹介する。(文・寺島武志)

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貞子の怨念はウイルス…? とんでも展開が波紋を呼ぶ

『らせん』(1998)

佐藤浩市
佐藤浩市Getty Images

上映時間:97分
監督・脚色:飯田譲治
原作:鈴木光司
キャスト:佐藤浩市、中谷美紀、真田広之、鶴見辰吾、佐伯日菜子、松重豊、小木茂光、松嶋菜々子、伴大介、真鍋尚晃、安達直人、加倉井えり、菅原隆一、岡田智宏、上沖俊、丹野由之、清水宏、鈴木光司

【作品内容】

監察医を務める安藤満男(佐藤浩市)は、かつて幼いわが子を水難事故で亡くしてから、生きる希望を失い死ぬことばかり考えながら日々の仕事をこなしていた。

そんなある日、安藤の大学時代の友人である高山竜司(真田広之)の遺体解剖の仕事が回ってくる。特に目立った外傷などなく、心筋梗塞による突然死であると診断する。しかし解剖の最中、高山の胃の内容物から謎の数字の羅列が書かれた紙を見つける。

安藤は、学生時代に2人でよく暗号を作っては解読するという遊びをしたことを思い出した。高山には不思議な能力があったことを知っていた安藤は、自分自身の死を予期した高山が自分に何かメッセージを残したのだと考える。

さらに安藤は高山の恋人だった高野舞(中谷美紀)に会い、高山の死因はあるビデオテープを見たことによるものだと告げられる。そして、高山の元妻の浅川玲子(松嶋菜々子)とその息子が謎の交通事故で死亡する。

その“呪いのビデオテープ”を巡り、恐怖のストーリーが展開される…。

【注目ポイント】

1995年の吉川英治文学新人賞を受賞した鈴木光司のホラー小説を映画化した作品で、『リング』(1998)の後日譚にあたる続編。“呪いのビデオテープ”の持ち主である貞子(佐伯日菜子)の計画に巻き込まれていく様を描いている。

しかし本作は、ファンが望んだようなホラー要素が少なく、科学的分析や謎解き要素を前面に出したことで期待を裏切る形となり、原作通りであるとはいえ、貞子の怨念はウイルスが原因という突拍子もない設定も混乱を招く結果となった。

また別の作品として、1999年に『リング2』が公開されたことによって、「どちらが本当の続編なのか」と、ファンを困惑させた。

この後、貞子を中心とした「リング」シリーズは全8作製作されたが、同じキャラクターを引っ張り続けたことで、徐々にファンにも飽きられ、かといって、貞子シリーズを脅かすようなホラー作品や映画作家も現れず、現在のジャパニーズホラーの衰退を予見させるような出来事となってしまった。

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