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パクリ疑惑のある日本映画は…? 物議をかもした問題作(2)ポスターもそっくり…流石に似せすぎたのは?

現在、日本では年間500本以上の映画が制作されている。しかし、いちから作品を作るのはいつの時代も難しい。そのため、時には、ヒット作のアイデアをしれっと拝借…なんてことも。そんなわけで今回は、ハリウッド映画からのパクリ疑惑がある邦画5本をご紹介。見どころとツッコミどころを解説する。(文・編集部)

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『Mr.& Mrs.スミス』とそっくりなテレビドラマの劇場版

『奥様は、取り扱い注意』(2021)

西島秀俊Getty Images

上映時間:119分
監督:佐藤東弥
脚本:金城一紀
出演者:綾瀬はるか、西島秀俊、鈴木浩介、岡田健史、前田敦子

【作品内容】

特殊工作員という過去を持つ専業主婦、伊佐山菜美と現役の公安警察であることをひた隠し菜美を監視している夫の勇輝。2人は、半年前に起きたある出来事をきっかけに名前を変え、とある地方都市で新生活をスタートさせていた。

しかし、2人が暮らす珠海市では、メタンハイドレードの発掘をめぐり、開発推進派と反対派の争いが勃発。勇輝たち公安は、対立の裏に国家ぐるみの陰謀が隠されていることを突き止める。公安に協力するか、妻を殺すかの二択を迫られる勇輝。そんな中、今度は菜美が大事件に巻き込まれていきー。

【注目ポイント】

2017年に日本テレビ系列で放送された『奥様は、取り扱い注意』の劇場版。主演は綾瀬はるかと西島秀俊で、脚本を『GO』で直木賞を受賞した小説家の金城一紀が務める。

夫がスパイで、その妻がターゲット…。本作のこの設定に既視感を抱く人も多いのではないだろうか。そう、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのW主演が話題を呼んだ『Mr. & Mrs.スミス』だ。

内容のみならず、ポスターも酷似していると話題に。白背景に男女が背中合わせで立ちカメラを見つめる構図がそっくりなのだ。さらに、黒いハイヒールを履いた女性が片足を軽く上げる身振りもまるっきり一緒。

西島秀俊と綾瀬はるかの役者としての魅力は、ブラピ&アンジーコンビに引けを取らないと信じるが、こうまでメインビジュアルの構図が一緒だと、観る側も必要のない比較をついついしたくなるというものだ。

また、本作では、主人公の菜美が作中で記憶喪失になってしまうが、この展開はジーナ・デイヴィス主演の『ロング・キス・グッド・ナイト』(1996)を彷彿とさせるという声が多い。

TVドラマの企画書を提出するとき、企画が通りやすいように過去の映画やドラマをモチーフにする場合が往々にしてある。その点、本作は少し行きすぎてしまったのかもしれない。

とはいえ、本作は駄作というわけではない。『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』や『SP 警視庁警備部警護課第四係』などのポリティカル・サスペンスを得意とする金城の作家性や、『リボルバー・リリー』(2023)でも見せた綾瀬はるかのアクションがふんだんに盛り込まれている。

観客も、本作が『Mr. & Mrs.スミス』のオマージュであることを踏まえながらも、作品世界を楽しんでいるようだ。

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